電気くらげ

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でんきくらげ

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意味・由来\n「電気くらげ」は、主に強力な毒を持つ刺胞動物「カツオノエボシ」などの俗称です。触手に触れると、まるで強い電流が走ったかのような激痛としびれが走ることからこの名がつきました。夏の終わりから初秋にかけて、南風や台風の余波、黒潮に乗って日本の沿岸や波打ち際に吹き寄せられることが多く、俳句では秋の季語として分類されます。青く透き通った烏帽子(えぼし)のような気胞体を海面に浮かべて漂う姿は幻想的で美しい反面、死んでも毒針が残る危険さを秘めており、美しさと痛烈な毒気という強い二面性を持つ季語です。\n\n### この季語で詠むコツ\n海水浴客の賑わいが去り、寂しさが漂い始めた初秋の海辺を舞台に詠むと、この季語特有の雰囲気がぐっと引き立ちます。波打ち際にぽつんと打ち上げられた青い袋のような姿や、水中をゆらめく触手の描写を通じて、視覚的な透明感と「刺されると危険」という触覚的な緊張感の対比を意識するのがポイントです。夏の名残の哀愁と、秋の海が持つ冷やかさや不気味さを織り込むと、陰影のある深い句になります。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n- 海・浜辺の景:「秋潮(あきちお)」「波打ち際」「荒磯」「白砂」「引き潮」\n- 色彩・質感:「瑠璃色」「青」「玻璃(はり)」「半透明」「風船」\n- 動作・感覚:「刺す」「痺れ」「触手」「漂う」「打ち上げらる」

電気くらげ」の俳句例 (3件)

電気水母死して蒼天ひろごれり
三橋敏雄【現代語訳】電気くらげが砂浜に打ち上げられて死に、その上にはどこまでも青い秋の空が果てしなく広がっている。\n【鑑賞】浜辺で息絶えた小さな青いくらげと、無限に広がる蒼天(青空)との対比が圧倒的な空間の広がりを生み出しています。「死」という静寂と「青」の連続性が、秋の海の孤独感や自然の無常観を研ぎ澄まされた言葉で伝えてくれます。
電気水母触手引くこと倦むごとし
山口誓子【現代語訳】電気くらげが、その長い触手を海中でたぐり寄せる動作に、どこか疲れ飽きてしまっているかのようだ。\n【鑑賞】冷えゆく秋の海をただよう電気くらげの気だるげな動きを的確に捉えた句です。有毒で鋭い刺激を持つはずのくらげが「倦む(退屈し疲れている)」ように見えるという心理的描写が、夏の盛りを過ぎた秋の海の物悲しさを巧みに表現しています。
電気水母青き風船うち揚ぐる
右城暮石【現代語訳】波が、まるで青い風船のような電気くらげを浜辺に打ち上げている。\n【鑑賞】カツオノエボシの気胞体が青い風船のように膨らんでいる形状を、客観的に鮮やかに写生した一句です。玩具の風船のような軽やかで美しい見た目と、猛毒を持つ生物であるという危険な現実とのギャップが、秋の渚の情景を鮮烈に際立たせています。

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