中菊

中菊

ちゅうぎく

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意味・由来\n「中菊(ちゅうぎく)」は、花の直径がおよそ9センチから18センチ未満の菊の総称です。菊は花の大きさによって大菊・中菊・小菊に分類されますが、大菊が品評会などの鑑賞用に丹精して育てられることが多いのに対し、中菊は仏花や切り花、庭植えとして古くから庶民の暮らしに深く親しまれてきました。古典菊と呼ばれる江戸菊、肥後菊、嵯峨菊なども多くはこの中菊に属します。晩秋の澄んだ空気の中で、気取らず凛として咲く姿に、日本人の暮らしに寄り添う情緒や親しみやすさが感じられる季語です。\n\n### この季語で詠むコツ\n大菊のような圧倒的な華やかさや技巧の極みではなく、中菊が持つ「身近さ」「実直さ」「生活感」に焦点を当てると味わい深い句になります。庭先や玄関、仏壇に供えられた日常の光景、あるいは秋晴れの柔らかな日差しや露にしっとりと濡れる質感を描写するのが効果的です。中菊ならではの適度なボリューム感や、花びらの素直な広がりを素朴な言葉で捉えましょう。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n・天候・光:「日和(ひより)」「日ざし」「秋麗」「露」「薄日」\n・生活空間:「庭先」「縁側」「厨(くりや)」「仏間」「手水」\n・色彩・質感:「黄」「白」「紅」「濡るる」「香る」

中菊」の俳句例 (3件)

中菊の咲きて日和の定まりぬ
富安風生【現代語訳】中菊の花が咲いて、いよいよ晩秋の穏やかな好天が続くようになったことだ。\n【鑑賞】中菊の開花とともに、秋晴れの安定した日和が訪れた喜びを素直に詠んだ名句です。大菊のような気負いがない中菊だからこそ、「日和の定まりぬ」という自然の落ち着きと見事に調和しています。
中菊や日を仰ぐ花伏せる花
杉田久女【現代語訳】中菊が咲いている。太陽をまっすぐ見上げる花もあれば、恥じらうように下を向く花もある。\n【鑑賞】ひと株、あるいはひと群れの中菊の生命の姿を丹念に見つめた句です。天を仰ぐ花と俯く花それぞれの佇まいに、生き生きとした表情と女性らしい細やかな観察眼が光ります。
中菊の白きばかりを集めけり
山口青邨【現代語訳】色とりどりに咲く中菊の中から、ただ白い花だけを選び集めたことだ。\n【鑑賞】多彩な中菊の中からあえて「白」のみを取り揃えた潔さが印象的です。晩秋の冷涼な空気の中で、清楚な白菊の清浄な美しさと香りが際立つ、静謐で洗練された情景を描いています。

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