防災の日

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意味・由来

「防災の日」は毎年9月1日で、秋の季語(初秋・仲秋)に分類されます。大正12年(1923年)9月1日に発生した関東大震災の教訓を風化させず、また台風の襲来が多いとされる「二百十日」に当たることから、国民一人ひとりが災害に対する認識を深め、備えを怠らないようにとの趣旨で昭和35年(1960年)に閣議決定されました。この日には全国の学校や企業、自治体で避難訓練が行われ、サイレンが響き渡るなど、社会全体が日常の中で一瞬の緊張感を共有する日となっています。

この季語で詠むコツ

「防災の日」を詠む際は、スローガン的な教訓や災害への不安を直接言葉にしすぎないことが大切です。訓練のサイレンの音、上空を旋回するヘリコプター、整列する子どもたちの真剣な横顔、非常持ち出し袋の点検など、身の回りの具体的かつ視覚的・聴覚的な光景を切り取ると説得力が増します。また、秋の訪れを感じさせる爽やかな青空や澄んだ空気感と、災害への警戒という緊張感との対比(コントラスト)を意識すると、季感が際立ち、深みのある作品になります。

相性のいい言葉・取り合わせ

・音に関する言葉:サイレン、非常ベル、靴音、放送 ・動作・視覚に関する言葉:整列、ヘリコプター、非常階段、乾パン、水筒、手拭 ・秋の季語や自然描写:初秋の青空、鰯雲、澄む、二百十日、風

防災の日」の俳句例 (3件)

防災の日や手拭をほつ被りに
平畑静塔【現代語訳】防災の日なので、手ぬぐいで頬被りをして訓練に臨んでいる。 【鑑賞】医師でもあった作者らしい、具体的で生活感にあふれた日常の切り取りです。防災訓練での身支度である「ほっかむり」という素朴な姿から、どこか庶民的なユーモアと、真面目に訓練に参加する人々のぬくもりが伝わってきます。
防災の日のヘリコプター影低し
鷹羽狩行【現代語訳】防災の日に訓練のヘリコプターが飛んでおり、その影が地表を低く這うようにかすめていった。 【鑑賞】低空を飛ぶヘリコプターの黒々とした影の動きを鋭く捉えた一句です。その影の低さが、訓練でありながらもどこか迫り来る有事の緊迫感を地表にもたらし、「防災の日」特有の張り詰めた空気感を的確に描き出しています。
防災の日や火を怖れ水を怖れ
能村研三【現代語訳】防災の日にあたり、火の猛威を恐れ、水の猛威を恐れる心を改めて噛み締めている。 【鑑賞】関東大震災の大火災や、台風による水害など、自然がもたらす根源的な脅威を素直な言葉で直視した句です。単なる標語に終わらず、「恐れる」という原初的な畏怖の念を再確認することが、防災の第一歩であることを力強く伝えています。

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