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「盆の月」とは、旧暦七月十五夜、すなわち盂蘭盆会(お盆)の夜に昇る満月のことです。現在でいう八月中旬から下旬頃の初秋の月にあたります。お盆は、先祖の霊を迎えて供養し、再び送り出す大切な時期です。そのため「盆の月」は、単なる美しい月影にとどまらず、亡き人を偲ぶ哀切や、霊を迎える敬虔な祈り、あるいは盆踊りに集う人々を包み込むような温もりなど、独特の情緒を帯びた季語として古くから親しまれてきました。
「月」という季語は本来秋の代表格ですが、「盆の」とつくことで、生者と死者が交錯する特別な夜の空気感が加わります。詠む際には、ただ月を客観的に眺めるだけでなく、盆行事の情景や心情と響き合わせるのがコツです。例えば、盆踊りの輪を外れたときの静けさ、仏壇の灯明や線香の香り、帰省した家族との対話、あるいは一人で夜空を仰ぐ切なさなど、人間味のあるドラマを取り合わせると深い余韻が生まれます。
・盆踊、踊子、太鼓、提灯(秋の季語・無季) ・送り火、線香、仏間、数珠(秋の季語・無季) ・影、家路、風、水音、山並み(無季)
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山茶花の
一輪に受く
欠け徳利
朝霜を
踏み拉ぎゆく
田の柔し
念願の
法隆寺と
秋桜
葱の香や
夜なべの土間の
藁の束
富士の峰
雲居に紛れ
雪ぞ降る