朝茶の湯

朝茶の湯

あさちゃのゆ

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意味・由来

「朝茶の湯(あさちゃのゆ)」は、初秋の涼しい早朝に客を招いて催される茶事(朝茶事)のことです。夏の暑さがまだ残る時節、日中の暑さを避けて朝の澄んだ空気と涼気の中で一服のお茶を味わう風流なもてなしから生まれました。露を結んだ庭や、まだ明けきらぬ静寂の中で湯が沸く音など、秋ならではの清々しさと詫びた風情を併せ持つ季語です。

この季語で詠むコツ

早朝特有の空気感や五感の描写を取り入れるのがポイントです。朝霧や朝露でしっとりと濡れた露地(茶庭)の風情、ひんやりとした朝風の心地よさ、静寂の中に響く釜の煮え立つ音(松風)などを具体的に切り取ると、朝茶事ならではの清冽な情景が立ち上がります。

相性のいい言葉・取り合わせ

・庭・露地の情景:「朝露」「飛び石」「手水鉢」「濡れ縁」 ・朝の気配・感覚:「朝風」「静けさ」「湯気」「松風の音」「清らか」

朝茶の湯」の俳句例 (3件)

朝茶の湯風のわたりてゐたりけり
高浜虚子【現代語訳】早朝の茶の湯の席に、秋の心地よい風がさっと吹き渡っていたことよ。 【鑑賞】朝の清涼な空気の中で催される茶事の最中、ふと肌をなでる涼風の心地よさを素直に詠み留めた一句です。簡潔な描写ながら、茶室に満ちる静けさと初秋の風情が鮮やかに伝わってきます。
朝茶の湯客の草履のしめりけり
富安風生【現代語訳】早朝の茶事に招かれた客の草履が、露路の朝露に濡れてしっとり湿っている。 【鑑賞】客が庭の飛び石を渡って茶室へ入ってきたときの、草履の湿りに着目した観察眼が光る句です。朝露の深さと、客を迎える茶席の清々しい緊張感が表現されています。
露ふかき庭を通ひて朝茶の湯
飯田蛇笏【現代語訳】朝露が深く降りた庭を通り抜けて、早朝の茶席へと向かうことだ。 【鑑賞】朝露に濡れた草木の美しさと、そこを歩いて茶席へ向かう高揚感・厳かな心持ちが描かれています。初秋の朝の澄み切った大気と自然の潤いが凝縮された格調高い一句です。

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