青梨

青梨

あおなし

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意味・由来

「青梨(あおなし)」は、熟しても果皮が黄褐色(赤梨系)にならず、爽やかな青緑色や黄緑色のまま実をつける梨の総称です。代表的な品種として「二十世紀梨」などが挙げられます。また、山野に自生する野生の梨(アオナシ)を指すこともあります。素朴で落ち着いた風情を持つ赤梨に比べ、青梨はみずみずしい果汁感や清涼な酸味、凛とした清潔感をたたえており、初秋の澄んだ空気や爽やかな季節の訪れを象徴する季語として愛されています。

この季語で詠むコツ

青梨の持つ「透き通るような緑色の肌」「皮をむく感触や刃先」「噛みしめたときに溢れる果汁」など、五感(視覚・触覚・味覚・聴覚)を捉える具体描写が効果的です。また、夏の余熱が引き、夕暮れなどにふと秋の冷気(ひえびえ)を感じる瞬間や、家庭の日常的な静けさ・手元の情景と取り合わせることで、青梨ならではの涼やかで引き締まった詩情が際立ちます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 五感・質感の言葉:雫(しずく)、刃先、ナイフ、噛む、果汁、ひえびえ、青み
  • 時間・空間の言葉:日暮、夕影、台所、白皿、窓辺
  • 身体・動作の言葉:掌(てのひら)、むく、手応え、味わう

青梨」の俳句例 (3件)

青梨をむくや日暮のひえびえと
久保田万太郎【現代語訳】青梨の皮をむいていると、暮れていく夕方の気配とともに、ひんやりとした冷気が身にしみてくる。 【鑑賞】青梨のみずみずしく青い果皮をむく手元の涼しさと、秋の夕暮れの肌寒さ(ひえびえ)が見事に見合っています。日常の静かな台所仕事の中に、秋の深まりゆく気配を繊細に捉えた名句です。
青梨の雫をふくむ刃先かな
日野草城【現代語訳】青梨を切った包丁の刃先には、透明でみずみずしい果汁の雫が光っていることよ。 【鑑賞】青梨に刃を入れた瞬間の溢れ出る果汁に焦点を当てた、極めて鮮烈な視覚描写です。「青梨」の清涼感と、金属である「刃先」の鋭く冷たい質感が見事に響き合っています。
青梨や母に似て来し掌のかたち
能村登四郎【現代語訳】青梨を手にとってみると、その梨を包む自分の掌の形が、いつの間にか亡き母の手に似てきたことに気づく。 【鑑賞】青梨の丸みと冷たさを掌で受け止めた瞬間、ふと亡き母の手の温もりや記憶が蘇る名句です。果実の冷涼さと、肉親への切なく温かい情愛の対比が深い余韻を残します。

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