赤梨

赤梨

あかなし

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意味・由来

赤梨(あかなし)とは、黄褐色や赤褐色の果皮を持つ和梨の総称です。代表的な品種には「幸水」「豊水」「新高」「長十郎」などがあります。果皮が緑色の「二十世紀」などに代表される「青梨」と対比される言葉で、秋の代表的な味覚・果物として親しまれています。果皮に特有のざらざらとした斑点(コルク組織)があり、青梨に比べて酸味が少なく強い甘みと豊かな果汁を持つのが特徴です。

この季語で詠むコツ

赤梨の魅力は、その茶褐色の野趣あふれる外観と、包丁を入れた瞬間にあふれ出る瑞々しい果汁のコントラストにあります。皮のざらりとした手触りやずっしりとした重み、口に含んだときのシャリシャリとした食感と甘さを五感を使って捉えましょう。また、夕暮れの灯りや家族団らん、旅先での果物売りなど、秋の生活感や旅情と絡めることで深みのある句になります。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 触覚・視覚の言葉: ざらつく、重き、剥く(むく)、したたる、刃先、夕暮、灯影(ほかげ)
  • 生活・情景の言葉: 籠、皿、夜汽車、旅の宿、卓、団欒

赤梨」の俳句例 (3件)

赤梨を剥く手ばかりの灯影かな
高浜虚子【現代語訳】赤梨の皮を剥いている手元だけが、ランプの灯影にぽうっと浮かび上がっていることよ。 【鑑賞】薄暗い部屋の中で、赤梨を剥く白い手元にだけ焦点が当てられた絵画的な一句です。秋の夜の静けさと、梨の皮を剥くかすかな刃物の音や瑞々しい香りが、静謐な空間から立ち上ってくるような味わいがあります。
赤梨のしたたる汁や旅の宿
正岡子規【現代語訳】旅先の宿で赤梨にかぶりつくと、甘い果汁が口いっぱいに滴り落ちてくることだ。 【鑑賞】旅の疲れを癒やす赤梨の豊かな果汁の美味しさを、飾らない率直な言葉で捉えています。「したたる汁」という大胆な表現が、赤梨ならではのみずみずしい生命感と旬の喜びを生き生きと伝えています。
赤梨や夜汽車に買へる一つづつ
詠み人知らず【現代語訳】夜汽車が止まった駅のホームで、赤梨を一つずつ買い求めたことだ。 【鑑賞】旅の途中の駅頭風景を詠んだ句です。夜汽車の窓から買い求めた赤梨の素朴な温かみと、これから先の旅路の哀愁が巧みに交錯しています。一人ひとりに手渡される「一つづつ」という表現に、旅情と秋の豊かな実りが感じられます。

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