秋去姫

秋去姫

あきさりひめ

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意味・由来\n「秋去姫(あきさりひめ)」とは、秋を司る女神のことで、一般的には「竜田姫(たつたひめ)」の異称とされています。「秋去る」は現代語の「秋が去っていく」という意味ではなく、古語において「秋がやって来る」「秋になる」という訪れを意味する表現です。春を司る「佐保姫(さほひめ)」の華やかで柔らかなイメージに対し、秋去姫は実りをもたらすとともに、澄んだ空気や寂寥感、紅葉のあでやかさをまとう、少し大人びた神秘的な女神として擬人化されています。\n\n### この季語で詠むコツ\n秋去姫を詠む際は、ただ概念的な美しさを述べるだけでなく、自然の具体的な変化を「女神の気配や仕草」として見立てるのがポイントです。秋風に揺れる草木、山々の色づき、薄雲のたなびき、夕暮れの冷気など、五感で捉えられる現象と結びつけることで、雅やかな季語がいっそう生き生きと立ち現れます。気品ある言葉遣いを意識すると調和しやすいでしょう。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n・色彩・装い:薄衣(うすぎぬ)、裾(すそ)、紅葉、錦、茜(あかね)\n・自然現象:初風(はつかぜ)、野分(のわき)、露、夕霧、薄雲\n・植物:尾花(すすき)、萩、撫子、葛の花

秋去姫」の俳句例 (3件)

秋去姫衣うすくて山寒し
正岡子規【現代語訳】秋を司る秋去姫の衣は薄やかで、その姿が通り過ぎた山は早くも寒々としていることだ。\n【鑑賞】秋の訪れとともに山に冷気が立ち込める様子を、薄衣をまとう女神・秋去姫の姿に見立てて詠んだ一句です。山の澄んだ冷気と、視覚的な美しさが巧みに調和しています。
秋去姫みめうるはしき野分かな
飯田蛇笏【現代語訳】秋去姫の顔立ちが美しいように、激しい野分(台風)の中にも気品と凛とした美しさが感じられることだ。\n【鑑賞】激しい秋の嵐である「野分」の情景に、あえて優美な「秋去姫」を取り合わせた句です。荒れ狂う風のなかに潜む、凛冽で神々しい秋の気配を見事に描き出しています。
秋去姫あるひは雲の立ちまよひ
日野草城【現代語訳】秋去姫が通り過ぎたのか、あるいは空に秋の雲がゆったりと立ち迷っているのだろうか。\n【鑑賞】秋の空にたなびく白雲の動きを、女神の衣の乱れや彷徨う姿に重ね合わせた幻想的な句です。「あるひは」という柔らかな措辞が、夢幻的で優雅な秋の情緒を際立たせています。

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