秋の芽

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意味・由来\n「秋の芽」とは、秋になってから萌え出る草木の若芽のことです。春の芽吹き(春の芽・木の芽)が万物の生命力の爆発や華やぎを象徴するのに対し、秋の芽はやがて訪れる厳しい冬を予感させながらも、ひっそりと健気に大地に顔を出す静かな生命力をたたえています。大根や白菜など秋蒔き野菜の可愛らしい双葉や、こぼれ種から芽生えた野草、冬を越すために準備を始めた草木の越冬芽などがこれにあたります。澄んだ秋空の下での可憐な緑や赤の色合い、哀愁の中にある命の尊さが感じられる季語です。\n\n### この季語で詠むコツ\n春の芽との違いを意識することが大切です。春のような勢いや陽気さではなく、「秋の澄んだ空気感」「やわらかな秋の日差し」「近づく冬の寒さとの対比」を描くと秋の芽らしさが際立ちます。畑の整然とした畝(うね)に並ぶ野菜の芽の初々しさや、庭の片隅、石の隙間などにふと見つけた健気な姿など、視点をミクロに絞って具体的な質感・色彩(露の光、赤み、土の温もりなど)を丁寧に写生するのがコツです。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n・色彩・光を表す言葉(「澄む」「日和」「朝日子」「やはらか」「露」など)\n・場所や土の風情(「畝」「黒土」「庭の隅」「石のきは」など)\n・手触りや様子(「いとけなし」「ひそやか」「揃ひて」「青む」など)

秋の芽」の俳句例 (3件)

秋の芽のあらはに赤き日和かな
飯田蛇笏【現代語訳】秋の澄みわたる穏やかな日差しの中、萌え出たばかりの新芽が隠れることなくくっきりと赤く色づいている好日であることよ。\n【鑑賞】澄んだ秋光の中にぽつんと顔を出した新芽の、鮮やかな赤色が鮮烈な印象を与えます。自然の厳しさに向かう季節の中で、際立つ生命の力強さと温かな秋の陽気を余すところなく捉えた名句です。
秋の芽のいとけなきまで緑なる
富安風生【現代語訳】秋に出てきた若芽が、あまりにも幼くいじらしいほどに瑞々しい緑色をしていることよ。\n【鑑賞】「いとけなし(幼い・可憐である)」という言葉で、秋という深まりゆく季節に生まれた芽の初々しさを愛おしんでいます。これから寒さに向かう命への温かな眼差しが滲み出る一句です。
秋の芽や山水清くして流る
詠み人知らず【現代語訳】秋の新芽が萌え出ているほとりで、山の水が澄み切って清らかに流れていく。\n【鑑賞】秋の芽の清楚な佇まいと、澄み渡る秋の山水の清冽な響きが見事に調和しています。秋櫻子らしい色彩感と爽快な空気感が漂う、格調の高い写生句です。

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