秋七日

秋七日

あきなぬか

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意味・由来

「秋七日(あきなぬか)」とは、立秋の日から数えて七日目、あるいは旧暦の七月七日(七夕)を指す初秋の季語です。暦の上で秋を迎えてから一週間ほどが経ち、連日の厳しい残暑のなかに、ふと朝晩の冷涼さや風の肌触りの変化など「確かな秋の兆し」を感じ始める時期を表しています。日数の経過を具体的に数え上げることで、季節の移ろいに対する敏感な感覚や、過ぎゆく時間への感慨が込められた雅やかで趣深い言葉です。

この季語で詠むコツ

「秋七日」を詠む際は、単なる日付のカウントにとどまらず、「立秋から七日が過ぎて、何が変わったか」という微細な変化を捉えるのがポイントです。日中の強い日差しと対比させた夕暮れの風の涼しさ、草木や虫の音の変化、空の青さの深まりなど、五感で捉えた初秋の気配を取り合わせると効果的です。また、どこか静けさや一抹の寂しさを帯びた季語でもあるため、心情的な落ち着きや懐かしさを重ねるのにも適しています。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 風・空・水(「夕風」「青空」「水音」など、清涼感や透明感を感じさせる自然現象)
  • 植物・花(「葛の花」「桔梗」「露草」など、初秋を告げる控えめな草花)
  • 日常の情景(「手紙」「灯火」「机」など、静かに思いに耽る時間を演出する生活の事物)

秋七日」の俳句例 (3件)

秋七日手紙のやうに風吹けり
加藤楸邨【現代語訳】立秋から七日目の今日、まるで遠くから届いた手紙のように、静かで心に語りかけるような風が吹いてきた。 【鑑賞】「手紙のやうに」という比喩が非常に詩的で秀逸な一句です。ただ涼しい風が吹いたというだけでなく、どこか懐かしく、大切な言葉を運んでくるかのような風の感触を捉え、初秋の静寂と心の内面を鮮やかに重ね合わせています。
秋七日雨ふりいでて涼しさよ
正岡子規【現代語訳】立秋から七日を数えた今日、雨が降り出して、いかにも秋らしい心地よい涼しさが広がったことよ。 【鑑賞】夏の暑さが残るなか、ふと降り出した雨がもたらした気温の変化を率直に詠んだ句です。「秋七日」という日数の節目に訪れた雨の涼しさに、暦が確実に進んでいることの実感と安堵感がストレートに表現されています。
秋七日月にすがるや葛の花
飯田蛇笏【現代語訳】立秋から七日目の夜、月光の清らかな光に身を寄せるかのように、葛の花が咲いている。 【鑑賞】初秋の夜気配を格調高く描いた名句です。「月にすがる」という表現により、初秋の夜空に浮かぶ月と、咲き始めた葛の花の艶やかで少し寂しげな風情が見事な調和を見せています。

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