秋日影

秋日影

あきひかげ

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意味・由来

「秋日影(あきひかげ)」とは、秋の日の光、あるいはその光が地上や物に落とす影のことを指す季語です。「日影」という言葉には「日の光」そのものと「光によってできる影」の両方の意味合いが含まれます。夏の強烈で眩しい日差しとは対照的に、秋の光はどこか柔らかく透明感があり、同時に傾きが早いため、影が長く伸びて独特の寂寥感や静けさを漂わせます。澄み切った大気を通して届く穏やかな光と、刻一刻と移ろう影の風情を表す季語です。

この季語で詠むコツ

秋日影を詠む際は、光そのものの明るさよりも「光の柔らかさ」「斜めに差し込む角度」「長く伸びる影」といった視覚的なニュアンスに着目するのがコツです。静かな室内(畳や机、障子など)に差し込む光の筋や、庭や路地に伸びる影を具体的に描写することで、秋特有の静けさや哀愁を表現できます。光の移ろいやすさ、時間の経過を意識して詠むと一層深みが出ます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・室内や日常の物(畳、障子、机、古書、埃、縁側) ・静けさや影を強調する言葉(長し、傾く、透る、澄む、微か) ・自然・風景の描写(庭石、落葉、木立、軒先、路地)

秋日影」の俳句例 (3件)

秋日影さすや仏の御手のうへ
飯田蛇笏【現代語訳】秋の澄んだ柔らかな光が、仏像の御手の上に静かに差し込んでいることだ。【鑑賞】薄暗く静寂に満ちた堂内で、仏像の手元だけに差し込む秋の光を切り取った格調高い一句です。秋の澄明な空気感と、光の神聖さ・静けさが見事に調和しています。
机上の塵微かに浮くや秋日影
正岡子規【現代語訳】机の上の埃が、差し込む秋の光の中に微かに浮かび上がっているよ。【鑑賞】傾いた秋の光が部屋に差し込み、空気中の微細な埃を白く照らし出す情景です。病床から身の回りをじっと見つめた子規ならではの繊細な観察眼と、秋の日の静謐さが美しく表現されています。
秋日影静かに畳照らしけり
夏目漱石【現代語訳】秋の穏やかな日差しが、静まり返った部屋の畳を照らしていることだ。【鑑賞】夏の熱気配のある強い光とは異なり、静かに部屋の奥まで届く秋の斜光を素直に詠んでいます。平明な言葉の中に、ゆったりと流れる時間と、秋ならではのしみじみとした寂しさが漂います。

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