秋渇

秋渇

あきがわき

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意味・由来

「秋渇(あきがわき)」とは、秋になって空気が乾燥し、喉が渇くこと、あるいは夏の暑さによる疲労が秋に出て異常に喉が渇く身体感覚を指す季語です。秋は涼しさが増す一方で大気が急速に乾き、また実りの季節特有の果物や冷たい水がひときわ美味しく感じられる時期でもあります。単なる肉体的な喉の渇きだけでなく、秋風の吹く澄んだ大気の中でふと覚える身体の乾きや、どこか物寂しい心境とも結びついた風情ある季語です。

この季語で詠むコツ

夏の猛暑による激しい渇きとは異なり、秋特有の「澄んだ空気感」「冷気」「静けさ」を背景に置くことがポイントです。水を飲んだ瞬間の清冽さ、夜更けの乾き、旬の果汁のみずみずしさなどを具体的に描写することで、秋ならではの渇きが際立ちます。体感としての渇きに加えて、秋の哀愁や心細さといった心情を重ね合わせるのも効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 飲み物・器:水、井戸水、白湯、冷水、茶、硝子杯、椀
  • 果物・食べ物:梨、林檎、葡萄、柑橘、果汁
  • 情景・動作:夜半、風音、月光、喉、潤す、澄む

秋渇」の俳句例 (3件)

秋渇の咽喉に痛き氷哉
正岡子規【現代語訳】秋の渇きを癒そうと氷を口に含むと、その冷たさが喉に痛いほど染み渡るようだ。【鑑賞】病床にあった子規が、秋特有の乾きを潤そうとして氷を口にした瞬間を生々しく捉えた一句です。夏の涼を求める氷とは異なり、秋の冷気と喉の痛み、そして渇きの切実さが際立ちます。
秋渇や岩伝ひゆく谷の水
飯田蛇笏【現代語訳】秋の渇きを覚えるなか、岩肌を伝って流れ落ちる澄んだ谷水が目に映る。【鑑賞】山間の澄み切った大気と、乾いた喉に訴えかけてくるような清冽な水の姿が見事に対比されています。秋の清澄な自然描写と渇きの身体感覚が美しく響き合っています。
秋渇や水一椀のうまきこと
角川源義【現代語訳】秋の渇きを覚えたときに飲む、一杯の水のなんという美味しさだろうか。【鑑賞】日常の「水を飲む」という素朴な行為が、秋渇という季語によって純化されています。澄み渡る秋気の中でいただく水の清らかさと、生命を満たすような深い充足感が平明な言葉で詠まれています。

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