つゆ

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意味・由来

「露(つゆ)」は秋を代表する天文の季語です。夜間の冷え込みによって空気中の水蒸気が凝結し、草木や地上に水滴となって宿る現象を指します。露自体は四季を通じて見られますが、秋は放射冷却によって夜気が冷え、空気が澄み渡るため、特に大きな美しい玉を結びます。古来より朝日の光とともに儚く消え去ることから、人の命の儚さや無常観の象徴として和歌や俳句で数多く詠み継がれてきました。

この季語で詠むコツ

露の儚さや物悲しさに心情を重ねる伝統的な詠み方のほか、朝日にきらめく水滴の透明感や瑞々しい生命力に光を当てるアプローチも魅力的です。ただ「露がある」と述べるのではなく、露が乗っている草木(萩、稲、芋の葉など)の質感や、風による揺らぎ、雫がポトリと落ちる瞬間など、繊細な動静を具体的に捉えると句が生き生きと立ち上がります。

相性のいい言葉・取り合わせ

・形状や光を表す言葉:「露の玉」「こぼるる」「宿る」「きらめき」「玉響(たまゆら)」 ・植物の取り合わせ:「萩」「芋の葉」「芒(すすき)」「野菊」 ・時間や空間を広げる言葉:「朝日子」「暁」「庭駄履」「踏みわけ」

」の俳句例 (3件)

露の世は露の世ながらさりながら
小林一茶【現代語訳】この世は露のように儚いものだと頭では分かってはいる。分かってはいるのだけれども、やはり諦め切れないのだ。【鑑賞】幼い愛娘のさとを亡くした一茶の悲痛な叫びです。人生の儚さを「露の世」と受け入れようとしつつも、「さりながら」と繰り返すことで、親としての断ち切れない深い情愛と悲嘆を赤裸々に表現しています。
白露もこぼさぬ萩のうねり哉
松尾芭蕉【現代語訳】萩の枝が風にしなやかに波打っているが、その葉に宿った白露を一粒もこぼすことはない見事なうねりであることよ。【鑑賞】萩の柔軟でしなやかな枝の動きと、その上にしっかりと留まる露の緊張感を見事に捉えた一句です。「白露」の静けさと「うねり」という動的な描写の対比が鮮やかで、自然の絶妙な調和美を描き出しています。
露の玉蟻ののぼりて落しけり
高浜虚子【現代語訳】草木に宿る美しい露の玉に、小さな蟻が登っていき、その重みで露をぽたりと落としてしまった。【鑑賞】極小の世界を鋭い写生眼で克明に切り取った句です。完全な球体を保っていた露の玉が、蟻のわずかな動きによって崩れ落ちる瞬間をスローモーションのように捉えており、澄んだ秋の静けさと微細なドラマを感じさせます。

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