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「時の日(ときのひ)」は、六月十日の「時の記念日」を指す仲夏の季語です。天智天皇の時代、日本で初めて水時計(漏刻)によって時が知らされたという『日本書紀』の記述に基づき、大正九年に制定されました。時間を大切にし、生活を規則正しいものにしようという呼びかけから生まれた記念日で、俳句では単に記念日を祝うだけでなく、時の流れの不可逆さや、日々の暮らしの尊さ、人生のはかなさを見つめ直す象徴として詠まれます。
「時の日」は概念的な響きを持つ季語であるため、抽象的な表現に偏ると句の印象がぼやけてしまいます。身の回りにある具体的な物や動作と結びつけるのが詠むコツです。たとえば、柱時計の振り子の規則正しい音、古い腕時計のねじを巻く指先、あるいは梅雨空の静寂の中でふと見上げた時計の針など、視覚や聴覚を意識した情景を描き出すことで、時間の重みや流れる速度が生き生きと伝わります。
・時計、針、文字盤、秒針、振り子 ・鐘の音、水滴、雨の音、静けさ ・ねじを巻く、立ち止まる、刻む、振り返る ・古びた机、駅の改札、窓辺、昼下がり
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風に籠れる
鹿のこゑ
青沼に
若き日の我
もみじ狩り
吾も世も
秋を抱ける
明日かな
風の背を
追うて紅葉の
散り頻る
前線が
流るる列島
紅葉染め
街路樹の
露弾き飛ぶ
紅葉狩り