鷹の山別

鷹の山別

たかのやまわかれ

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意味・由来\n「鷹の山別(たかのやまわかれ)」とは、春から夏にかけて育った若鷹が自立する晩秋、親鷹が子を激しく追い立てて自らの縄張りから追い出し、生活の場(山)を分かつ習性を指す季語です。「山別れ」「鷹の子別れ」とも呼ばれます。親が子を突き放すという過酷な野生の掟に基づき、情に溺れない猛禽類の厳格さと、そこに漂う哀感が古くから日本人の美意識に響き、季語として愛されてきました。\n\n### この季語で詠むコツ\n単なる「親子の別れの寂しさ」にとどまらず、野生の持つ冷厳さや孤高の気高さを表現するのがポイントです。険しい岩峰、冷たく澄んだ秋空、吹き抜ける烈風など、厳しい自然環境を取り合わせることで、鷹という生き物が背負うドラマと緊張感を際立たせることができます。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n- 自然・空:「峰」「岩肌」「ちぎれ雲」「秋風」「初時雨」「梢」\n- 動作・情景:「羽風」「放つ」「飛び去る」「影」「鋭き爪」

鷹の山別」の俳句例 (3件)

鷹の山わかれや風の落ちどころ
加舎白雄【現代語訳】鷹の親子が山を分かれて飛び去っていく。その激しい羽風が吹き抜け、風の勢いが落ちていく先には何が待っているのだろうか。\n【鑑賞】親鷹が子を冷徹に追い払う野生の厳しさを、吹きすさぶ風の行方に重ねて捉えた名句。感情を誇張せず「風の落ちどころ」と結ぶことで、別れのあとに残る秋の寒空の余白と余韻を見事に際立たせています。
山別れの鷹や梢を放る風
浪化【現代語訳】山別れをする鷹の羽ばたきだろうか、木の梢を勢いよく揺らし、放り出すように激しい秋風が吹き抜けていく。\n【鑑賞】親子の別れの激しい気配を、梢を吹き抜ける風の勢いによって描き出しています。直接鷹の姿を具に描写するのではなく、梢を激しく揺さぶる「放る風」という力強い表現を通じて、自立を迫る鷹の鋭く荒々しい生命力を伝えています。
山わかれして鷹高し初時雨
正岡子規【現代語訳】親子の縄張りを分かち、独り立ちした鷹が、初時雨の降る冷たい空を高く飛んでいる。\n【鑑賞】晩秋の訪れを告げる「初時雨」と、親元を離れて孤高に空へと舞い上がった鷹の姿を取り合わせた一句。冷たい雨煙が漂う広大な空に一点、力強く飛翔する若鷹の雄姿から、過酷な生を歩み始めた若き命の凛とした気高さが伝わってきます。

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