聖霊祭

聖霊祭

しょうりょうまつり

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意味・由来

「聖霊祭(しょうりょうまつり)」は、陰暦7月15日を中心に行われる「盂蘭盆会(お盆)」の別称です。「精霊祭」とも表記され、祖先の霊魂や無縁仏を家に迎え、供養して再び送り出す一連の祭祀行事を指します。仏教の盂蘭盆の教えと日本古来の先祖崇拝の信仰が結びついたもので、秋(初秋)を代表する重要な季語です。提灯を掲げ、迎え火・送り火を焚き、精霊棚を設けて供物を捧げるなど、どこか厳かで懐かしく、切ない情景を伴います。

この季語で詠むコツ

「聖霊祭」という季語には、亡き人を偲ぶ深い哀感や郷愁がすでに宿っています。そのため、大げさに悲しみを語るのではなく、具体的な生活の音や光、影を描き出すことで、より心に響く句になります。例えば、提灯の仄かな灯り、線香の匂い、夕暮れの川風、盆供の果物など、五感で捉えたディテールを取り合わせると情景が鮮やかに立ち上がります。

相性のいい言葉・取り合わせ

・視覚:提灯、送り火、迎え火、灯明、影、線香の煙 ・聴覚:鐘の音、川音、遠花火、読経、虫の声 ・情緒・名詞:故郷、夕餉、無縁仏、古机、蓮の花

聖霊祭」の俳句例 (3件)

精霊祭またの世に逢ふ人ばかり
阿波野青畝【現代語訳】お盆の祭祀を迎えたが、思い起こされるのは来世でしかもう会うことのできない、亡き人々ばかりであることよ。 【鑑賞】歳を重ねるほどに先立たれた親しい人々が増えていく寂しさと、彼らへの尽きない追慕の念が静かに詠まれています。「またの世に逢ふ人ばかり」という率直な実感が、深い余韻を残す名句です。
精霊祭夕餉の匂ひ町に満つ
能村登四郎【現代語訳】精霊祭の夕暮れどき、それぞれの家から漂う夕食の支度の匂いが、町中に満ち溢れている。 【鑑賞】霊を迎える特別な日でありながら、市井の人々の営みや温かみが「夕餉の匂ひ」を通して豊かに描き出されています。生者と死者が同じ町で共に夕刻を迎えているような、穏やかな温もりを感じさせます。
精霊祭子なき家々灯をともし
細見綾子【現代語訳】精霊祭の夜、子どものいない家々にも、それぞれ静かに提灯や仏壇の明かりが灯されている。 【鑑賞】後継ぎのいない家や静まり返った家々にも、先祖を敬い霊を迎える優しい灯火が揺れています。淡々とした描写の中に、人間の孤独と祈りの純粋さがじんわりと滲み出る一句です。

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