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「猪道(ししみち)」とは、野生の猪が山中や里山を通り抜ける際に踏み固められてできた細い獣道のことです。猪は秋になると、実った作物を荒らしたり、木の実(団栗や椎の実など)を求めて山を精力的に動き回ります。決まった通り道を使う習性があるため、草木が押し分けられ、土が削られて独特の細道が形成されます。人の手で作られた道とは異なる荒々しさや野生の気配、深山幽谷の静けさと緊張感を伝える三秋の季語です。
猪そのものを直接描かなくても、「猪道」という言葉だけで野獣の生々しい気配や山の深さを表現できます。人の道から外れて獣道へ迷い込んでしまった際の心細さや、落ち葉に埋もれかけた細い筋を発見したときの驚きなど、視覚や触覚を意識して詠むと効果的です。また、秋の夕暮れや月夜といった時間帯と結びつけることで、妖しくも美しい情景を立ち上げることができます。
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