白魚

白魚

しらうお

別の表記・呼び名:膾残魚(しらうお)、銀魚(しらうお)、王余魚(しらうお)

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意味・由来

白魚(しらうお)は、シラウオ科の体長数センチほどの細長い小魚です。早春から春にかけて産卵のために海から川の河口や汽水域へと遡上してきます。生きているときは氷のように美しく透き通っており、水揚げされて息絶えると次第に白くなることから「白魚」の名がつきました。江戸時代には隅田川の名物として徳川将軍家にも献上され、春の訪れを告げる代表的な風物詩として親しまれてきた歴史があります。なお、ハゼ科の「素魚(しろうお)」とは別種ですが、俳句では春の澄んだ水や淡い命の象徴として同様の美意識をもって詠まれます。

この季語で詠むコツ

白魚を詠む際の最大のポイントは、その「透明感」「小ささ」「はかなさ」をどう捉えるかです。水の中で泳ぐかすかな影や、透き通った体の中にぽつんと光る黒い目、すくい上げられた瞬間に消えゆく命のきらめきなど、繊細な視点を持つと情緒豊かな句になります。また、春の味覚としての一面も強いため、お吸い物や酒の肴、舟の上で味わう情景など、食の場面と結びつけるのも効果的です。大仰な言葉を使わず、春の水の清らかさや光のやわらかさと響き合わせるように詠むとよいでしょう。

相性のいい言葉・取り合わせ

・水温む、春の水、朧月(春の情緒を引き立てる言葉) ・四手網、篝火、舟、川波(漁の情景を描く言葉) ・椀、盃、醤油、膳(食膳の風情を表す言葉) ・透き徹る、微か、黒き目、掬ふ(繊細な様子を捉える言葉)

「白魚」の俳句例 (5件)

白魚かそも/\氷のかげなるか
正岡子規『寒山落木 巻一』(青空文庫)
藻にすだく白魚ぞとれば消えぬべき
松尾芭蕉『芭蕉俳句全集』(Wikisource)
白魚やそめ物洗ふすみた川
正岡子規『寒山落木 巻一』(青空文庫)
白魚に價あるこそ憾みなれ
松尾芭蕉『芭蕉俳句全集』(Wikisource)
この頃の月に肥えたる白魚哉
正岡子規『寒山落木 巻一』(青空文庫)

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