篠茸

篠茸

しのたけ

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意味・由来\n「篠茸(しのたけ)」とは、篠竹(笹や細い竹)が生い茂る藪の根元や、竹の落ち葉が降り積もった湿り気のある地面に生える小ぶりな茸(キノコ)の総称です。秋が深まる頃、薄暗い笹藪の中にひっそりと顔を出す姿には、派手さはないものの、秋の静けさと自然のつつましやかな生命力が宿っています。竹藪の独特の陰影や湿潤な空気感を象徴する、風情あふれる秋の季語です。\n\n### この季語で詠むコツ\n篠茸そのものの形や小ささ、頼りなげな佇まいに目を向けるとともに、それが生えている「場所の空気感」を描くのがポイントです。篠竹の葉を透かして射し込むかすかな秋の日差し、竹の落ち葉の重なり、朝露や湿った土の匂いなど、周囲の情景を五感で捉えて取り合わせると、静寂の中に確かな季節の移ろいを感じさせる句に仕上がります。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n・光や影を表す言葉(薄日、木漏れ日、藪の陰、夕暮れ)\n・水分や天候を表す言葉(露、時雨、朝霧、湿り)\n・竹藪の情景を表す言葉(竹の落葉、笹の葉、根方、藪道)

篠茸」の俳句例 (3件)

篠茸や露けき土に生ひいでて
飯田蛇笏【現代語訳】篠竹の藪の露に濡れた湿り気ある土から、篠茸がひっそりと生え出ている。【鑑賞】竹藪の薄暗く湿った土から小さな篠茸が顔を出した瞬間を、余計な装飾なく捉えた一句です。「露けき土」という表現が、晩秋のしっとりとした大気と土の冷たさを見事に伝えています。
篠茸の露をこぼして竹を伐る
前田普羅【現代語訳】篠茸に置いた露を散らしこぼしながら、秋の竹を伐り倒す。【鑑賞】静まり返った竹藪での人の営みと、足元に生える小さな篠茸との対比が鮮やかです。竹を伐る振動で篠茸の露がはらはらと零れ落ちる細やかな動勢が、静寂を際立たせています。
篠茸や薄日のもれる藪の中
長谷川零余子【現代語訳】篠茸が生えている、ほのかな秋の日差しがかすかに漏れ差す竹藪の中であることよ。【鑑賞】鬱蒼とした篠藪の中にわずかに射し込む秋の「薄日」に照らされた篠茸を描いています。光と影の繊細なコントラストが、深まりゆく秋の寂寥感と温もりを同時に醸し出しています。

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