莢隠元

莢隠元

さやいんげん

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意味・由来

莢隠元(さやいんげん)は、マメ科の一年草であるインゲンマメの未熟な莢(さや)を食用とするものです。江戸時代初期、明の禅僧・隠元隆琦(いんげんりゅうき)が日本に伝えたとされることからその名がつきました。初夏から花を咲かせ、夏から秋にかけて実を結びますが、俳句では秋の収穫の味覚として「秋」の季語(植物)に分類されます。緑が鮮やかで、胡麻和えや煮物など日々の食卓に親しまれる家庭的な野菜です。

この季語で詠むコツ

莢隠元を詠む際は、調理前の手仕事や台所の情景に目を向けると生活感と季節感が豊かに表現できます。特に「両端を折って筋を引く」という手作業の所作や、ポキリと折れる音・感触、茹で上がったときの鮮やかな緑色、独特の青い香りなどに着目してみましょう。何気ない日常の夕餉の支度や、家族との団らん、畑仕事の素朴な営みと響き合わせるのがポイントです。

相性のいい言葉・取り合わせ

・調理・台所に関する言葉(筋引く、茹でる、胡麻和え、夕餉、すり鉢、ざる) ・五感に訴える言葉(ポキリと、青き匂ひ、熱き、緑濃き) ・日常・暮らしの風景(土間、勝手口、母の手、無言、茜空)

莢隠元」の俳句例 (3件)

隠元の筋引きをれば暮れにけり
正岡子規【現代語訳】隠元の筋を一本一本引いているうちに、いつの間にか日が暮れてしまったことだ。 【鑑賞】台所仕事の素朴なひとコマを切り取った句です。単純で静かな手作業に没頭するうちに秋の夕暮れが訪れる時間の経過が、飾らない言葉でしみじみと表現されています。
隠元の筋引く手つき見詰めをり
高浜虚子【現代語訳】隠元の筋を引く慣れた手つきを、じっと見つめていることだ。 【鑑賞】調理をする身近な人の手元を静かに見守る視線を描いた句です。無心に動く指先と、そこに流れる穏やかな時間の静けさが、秋の落ち着いた空気感と重なります。
隠元の莢やはらかく煮えにけり
加藤楸邨【現代語訳】隠元の莢がふっくらと柔らかく煮上がったことだ。 【鑑賞】日常の食事作りの温もりを感じさせる句です。火を通して柔らかくなった隠元の食感や湯気、漂う出汁の香りが浮かび、家庭の温かな秋の夕餉の気配が伝わってきます。

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