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「甘藷(かんしょ・さつまいも)」は、ヒルガオ科の多年草で、その肥大した根(芋)を指す秋の季語です。中南米原産で、琉球(沖縄)を経て薩摩(鹿児島)から全国へ広まったため「薩摩芋(さつまいも)」とも呼ばれます。江戸時代には飢饉を救う貴重な作物としても重宝され、庶民の暮らしに深く根付いてきました。単に「芋」と呼ぶと俳句では里芋を指すことが多いため、さつまいもを詠む際には「甘藷」「薩摩芋」などと明確に使い分けるのが一般的です。
甘藷は、畑から掘り起こすときの泥や土の匂い、手にしたときのずっしりとした重み、独特の赤紫色(紅土色)など、視覚や触覚を刺激する要素が豊富です。また、蒸し芋や焼き芋など家庭的な食の温もりを詠み込むことで、素朴で親しみやすい生活感を表現できます。気取らず、日常の手触りや夕暮れの台所風景などを素直に描写するのが成功のコツです。
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