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「実盛虫(さねもりむし)」とは、初秋の稲田に発生して稲を食い荒らす害虫「ウンカ」の異称です。平安時代末期の武将・斎藤実盛(さいとうさねもり)の悲劇的な伝説に由来します。実盛は「篠原の戦い」において、乗っていた馬が稲の切り株に足をとられて落馬し、討ち取られてしまいました。その無念の怨霊が害虫に姿を変えて稲を食い荒らすのだと言い伝えられるようになり、この名がつきました。農村ではこの虫の害を防ぐため、藁人形を作って松明を掲げ村境へ送り出す「実盛送り(虫送り)」という民俗行事も行われてきました。
単なる害虫の描写にとどまらず、武将の無念さや哀愁、歴史のロマン、あるいは害虫被害に苦しむ農民の切実な祈りといった重層的な背景を意識することがポイントです。青々とした田や色づき始めた稲穂の風景に、どこか物悲しいトーンや歴史の影を差し挟むと、深みのある一句になります。
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