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「落し水(おとしみず)」とは、初秋から仲秋にかけて、稲刈りを控えた田んぼから水を抜くこと、またその抜かれて水路へと勢いよく流れ出る水を指す季語です。春の田植え以来、稲の成長を支えてきた田の水を落とす作業は、いよいよ収穫期が訪れたことを告げる農作業の大切な節目です。豊かな実りへの喜びとともに、青々としていた水田の風景が黄金色へと変わり、やがて水が引いていく季節の移ろいや一抹の寂しさを感じさせます。
「落し水」を詠む際は、視覚だけでなく「聴覚」や「水の動き」に着目するのがポイントです。水口(みなくち)や樋(ひ)からサラサラ、あるいは勢いよく水路へと流れ落ちる音、水が引いた後の湿った土の匂いや露出する泥の質感を描くと臨場感が高まります。また、水が抜けていくダイナミックな動きと、静かに頭を垂れる黄金の稲穂という静と動のコントラストを意識すると、秋の深まりを情緒豊かに表現できます。
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