踊笠

踊笠

おどりがさ

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意味・由来\n「踊笠(おどりがさ)」とは、盆踊りを踊る際に被る編笠(鳥追笠や菅笠など)のことです。秋の季語として扱われます。盆踊りはもともと精霊を迎え送り、慰めるための宗教行事であり、笠を深く被ることで「この世ならざる者」と一体になり、俗世の顔を隠すという意味合いもありました。阿波おどりや越中おわら風の盆などに代表されるように、笠の曲線美としなやかな手足の動きが合わさることで、独特の優美さや哀愁が漂います。\n\n### この季語で詠むコツ\n踊笠は、踊り手の顔を覆い隠す点に大きな特徴があります。「顔が見えないことによる匿名性や艶っぽさ」「笠の傾きや揺れの美しさ」「笠を脱いだ瞬間の素顔や汗」など、視覚的なコントラストを描くと情景が引き立ちます。また、囃子の喧騒だけでなく、笠の奥にある静けさや月明かりとの対比を意識すると、盆踊りの持つ陰影を深く表現できます。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n- 光・影:月影、月夜、篝火、提灯の灯、闇\n- 動作:傾く、脱ぐ、あぐる、揺れる、伏せる\n- 身体・装い:うなじ、手先、汗、紅(べに)、浴衣、顎(あご)

踊笠」の俳句例 (3件)

踊笠脱げば月夜の汗しづく
杉田久女【現代語訳】盆踊りの最中に深く被っていた踊笠を脱ぐと、澄んだ月夜の光の中に汗のしずくが美しく光り落ちた。\n【鑑賞】熱気あふれる踊りからふと抜け出し、笠を脱いだ瞬間の女性の美しさと涼気を見事に捉えています。神秘的な笠の奥から現れた素顔と、月光に照らされる汗の艶やかさが鮮烈な印象を残します。
踊笠著せられて犬の哀れなり
正岡子規【現代語訳】踊笠を無理やり頭に被せられた犬が、なんとも情けなく哀れな様子をしている。\n【鑑賞】盆踊りの賑やかな余興の中で、人間にからかわれて笠を被せられた犬を写生したユーモラスな一句です。お祭りの浮き立つ雰囲気と、それとは対照的な犬の所在なげな表情が巧みに切り取られています。
踊笠深く冠りて母ならむ
日野草城【現代語訳】踊笠を目深に被って踊っているあの人は、もしかしたら私の母ではないだろうか。\n【鑑賞】盆踊りの群舞の中で、笠に顔を隠して優雅に踊る一人の女性を見て、懐かしい母の面影や姿を重ね合わせています。笠がもたらす幻想性と、生者と死者が交錯するお盆の哀愁が胸に迫る名句です。

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