踊振

踊振

おどりぶり

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意味・由来

「踊振(おどりぶり)」とは、初秋の行事である盆踊りで見せる、踊り手たちの身のこなしや手足の振りのことです。盆踊りそのものを指す場合もありますが、特に踊り子の手の返し、足の運び、身体のしなりといった「所作」や「踊る姿の風情」に焦点を当てた季語です。祖霊を慰める盆の夜、太鼓や唄に合わせて無心に踊る人々の手振りや影には、どこか哀切や幽玄な美しさが宿ります。

この季語で詠むコツ

単に「楽しそう」「賑やか」と描写するのではなく、踊り手の具体的な仕草やシルエット、時間の移ろいに着目するのがポイントです。月光やかがり火に照らされる手先・袖の動き、笠の奥の表情、踊りの輪を外れたときの余韻など、視覚的なディテールを切り取ることで、情緒豊かな一句に仕上がります。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 光と影: 月光、かがり火、提灯、影法師
  • 装い・小道具: 手拭、浴衣、編笠、袖、素足
  • 感情・情景: 淋し、艶やか、更くる夜、手拍子、風の音

踊振」の俳句例 (3件)

踊振る手先淋しき月夜かな
夏目成美【現代語訳】盆踊りを踊るその手先が、冴えた月明かりの中でどこか寂しげに見える夜であることよ。 【鑑賞】賑やかな盆踊りの最中にありながら、月光に照らされた踊り手の手の動きにふと漂う哀愁や孤独感を捉えた名句です。盆踊りが死者を迎えて送る行事であることを思い出させます。
踊振のうしろ姿や更くる月
三浦樗良【現代語訳】踊り子の身振りを後ろ姿から見つめているうちに、夜も更けて月が高く傾いてきた。 【鑑賞】正面からではなく「うしろ姿」の踊り振りに着目したことで、踊りの余韻と夜の深まりがしっとりと描かれています。樗良らしい繊細で静かな抒情が光る一句です。
踊振や月をいただく手の工合
浪化【現代語訳】盆踊りの身振りで、まるで頭上の月を両手で押しいただくような手のしぐさが風流であることよ。 【鑑賞】踊りの美しい一瞬の手振りを、夜空の月と巧みに結びつけて切り取っています。踊り手の優美な所作と澄んだ秋の月が調和した、鮮やかで絵画的な作品です。

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