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「苦うるか(にがうるか)」とは、鮎(あゆ)の苦味のある内臓(腸や胆嚢など)を集め、塩辛にした伝統的な珍味のことです。落ち鮎の季節である初秋から晩秋にかけて作られることが多く、俳句では秋の季語(生活・飲食)に分類されます。「うるか」には卵巣を用いた「子うるか」や白子を使った「白うるか」などもありますが、内臓のみで作る苦うるかは別名「渋うるか」とも呼ばれ、独特の濃厚な渋みとほろ苦さが特徴です。古くから川魚の獲れる地方の特産品であり、大人の酒戸(酒飲み)に愛されてきた滋味豊かな風物詩です。
「苦うるか」を詠む際は、その独特の苦味や舌触り、そして合わせる「酒」との調和を捉えるのが基本となります。味覚そのものを直接描写するだけでなく、少量ずつ箸の先でつまんで味わう仕草や、酒盃を傾ける静かな時間の流れを切り取ると効果的です。また、人生の哀歓や旅情、夜長の孤独感、あるいは気心の知れた旧友との語らいといった、成熟した大人の情感と響き合わせることで、句に深い陰影と余韻をもたらすことができます。
・酒器・酒の情景:地酒、盃、徳利、猪口、燗(かん) ・動作・所作:箸の先、なむ(舐む)、舌に置く、一献 ・季節や時間の情緒:夜長、灯影(ほかげ)、秋風、秋深し、山深し、旅宿
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