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撫子(なでしこ)は、ナデシコ科の多年草で、秋の七草の一つです。「我が子を撫でるように愛しい花」という由来から名づけられたとされ、古くから日本人に深く愛されてきました。一般には自生する「河原撫子(カワラナデシコ)」を指し、細く裂けた淡紅色の可憐な花弁が特徴です。中国原産の「唐撫子(カラナデシコ=石竹)」に対して「大和撫子(ヤマトナデシコ)」とも呼ばれ、日本的な美しさや健気さ、はかなさの象徴として親しまれてきました。
撫子は繊細で可憐な草花ですが、野原や河原の石混じりの地にも根を張る芯の強さを持っています。詠む際には、単に「かわいい」「可憐だ」という描写にとどまらず、秋の風に揺れる姿、朝露に濡れる花びら、野趣ある周囲の風景などと対比させると深みが生まれます。また、旅情や昔の思い出、親しい人への愛惜といった心情を優しく託すのにも適しています。