茜掘る

茜掘る

あかねほる

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意味・由来

「茜掘る(あかねほる)」は、晩秋に染料や生薬の原料となる茜(アカネ)の根を地中から掘り起こす作業を指す秋の季語です。アカネはつる性の多年草で、秋が深まり茎葉が枯れ始める頃、地中に伸びた赤黄色の根を掘り出します。古来より日本の伝統的な赤色「茜色」を染め出す貴重な植物として重宝されてきました。冷え込む晩秋の山野で、土まみれになって力強く根を掘り出す情景には、季節の深まりと人々の生活の営みが色濃く宿っています。

この季語で詠むコツ

「茜」という言葉から連想される鮮やかな茜色の夕景と、実際に土を掘り返す泥臭く素朴な農作業との対比を意識すると奥行きが生まれます。掘り出された根の鮮烈な色や土の匂い、作業をする人の手や爪の汚れ、あるいは冷え込む秋の夕暮れの山気など、五感(視覚・嗅覚・触覚)に訴える具体的な描写を盛り込むのがポイントです。

相性のいい言葉・取り合わせ

・色彩・光:夕日、茜空、暮色、夕影、赤土 ・動作・道具:鍬(くわ)、籠、爪の汚れ、掘り起こす、担ぐ ・情景・気候:山里、深山、夕風、霜どけ、冷まじ

茜掘る」の俳句例 (3件)

茜掘る土の匂ひの濃かりけり
詠み人知らず【現代語訳】茜の根を掘り起こしていると、立ち上る湿った土の匂いが濃く感じられることだ。 【鑑賞】視覚的なイメージが強い「茜」という季語に対し、あえて嗅覚(土の匂い)を主役に据えた句です。晩秋の冷えた空気の中、鍬で土を返した瞬間に立ち込める生々しい大地の生命感が伝わってきます。
茜掘る山日いよいよあざやかに
角川源義【現代語訳】茜の根を掘っている山里に、傾きかけた夕日がますます鮮やかに輝いている。 【鑑賞】地中の茜の根を掘る作業と、空を茜色に染め上げていく山の夕日との照応が美しい一句です。晩秋の澄んだ空気の中で、傾く日差しがいっそう輝きを増す情景が雄大に捉えられています。
茜掘る女の爪のくろみけり
長谷川零余子【現代語訳】茜の根を掘り起こしている女性の爪先が、土と茜の汁で黒く染まっていることだ。 【鑑賞】美しい茜色を染め出すための泥臭い労働に焦点を当てた写生句です。女性の指先・爪の黒ずみに着目することで、秋の冷たい土を懸命に掘る労働の厳しさとひたむきさが鮮やかに描き出されています。

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