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「葛砧(くずきぬた)」とは、秋に葛(くず)の繊維で織り上げた「葛布(くずふ)」を木づちで叩き、柔らかく艶を出す作業のことです。古来より秋の夜長に響く砧の音は、哀愁を帯びた風物詩として和歌や俳句に詠まれてきましたが、特に葛布の産地(大和国や遠江国など)での風情を色濃く宿した季語が「葛砧」です。山里の澄んだ夜気の中にトントンと響き渡る素朴で乾いた音は、深まりゆく秋の寂寥感や、手仕事に勤しむ人々の暮らしを鮮やかに伝えます。
「葛砧」を詠む際は、聴覚(打つ音の響きや間隔)、視覚(秋の月光、夜の静けさ、灯火)、触覚(葛布の固さや仕上がりの滑らかさ)といった五感を意識するのがポイントです。単に作業を描写するだけでなく、秋の静けさと音の対比を強調することで、夜の深まりや人の情を際立たせることができます。
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