串柿造る
autumn 生活

串柿造る

くしがきつくる

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意味・由来

「串柿造る(くしがきつくる)」は、晩秋の季語です。渋柿の皮を剥き、竹串に刺して乾燥させる干し柿づくりの作業を指します。串柿は主にお正月の鏡餅に飾る縁起物であり、一般的には1本の串に10個(外側に2個ずつ、内側に6個)の柿を刺し、「いつもニコニコ、仲むつまじく」という家族円満の願いが込められています。山里の軒先や農家の庭先で行われるこの作業は、秋の深まりを感じさせる代表的な風物詩です。

この季語で詠むコツ

皮を剥く包丁の手元の動きや、滴る柿の渋など、具体的でミクロな視点を取り入れると臨場感が出ます。また、串に刺した柿がずらりと並ぶ様子や、それを照らす秋の柔らかな日差し、吹き抜ける乾いた風など、周囲の静かな自然環境と対比させることで、晩秋特有の寂静感や温かみを表現できます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・道具や動作:包丁、刃先、竹串、剥く、干す、渋、藁 ・自然の情景:小春日、山風、軒下、日差し、青空 ・人の気配:家族、指先、手際、年寄り

串柿造る」の俳句例 (3件)

串柿を造るやいつも日のあたる
阿波野青畝【現代語訳】串柿を作っていると、その場所にはいつもあたたかな日の光が差し込んでいることだ。 【鑑賞】肌寒い晩秋の空気の中で、縁側や庭先で串柿作りに励む人々と、それを優しく包み込む日差しのぬくもりを素直に写生した、心温まる一句です。
串柿のしづくに濡るる刃先かな
大野林火【現代語訳】串柿にするために渋柿を剥いていると、そのみずみずしい滴で包丁の刃先が濡れている。 【鑑賞】柿の皮を剥く作業の手元にぐっと焦点を当てた写生句です。冷たい金属の「刃先」と、生命感のある柿の「しづく」のコントラストが非常に鮮やかです。
串柿や日に日にやする一家族
日野草城【現代語訳】吊るされた串柿が乾燥して日に日にしぼんでいくように、我が家の一家もまた、日に日に細々と痩せていくように思われる。 【鑑賞】干されて徐々に小さくなっていく串柿の姿に、自らの家庭のわびしさや自身の衰えを重ね合わせた、ペーソス(哀愁)漂う味わい深い句です。

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