草の花
autumn 植物

草の花

くさのはな

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意味・由来

「草の花(くさのはな)」は、特定の高名な花を指すのではなく、秋の野山や道端、空き地などにひっそりと咲く、名もなき雑草の花々の総称です。春の花々のような華やかさはありませんが、秋の寂しげな風情の中で健気に咲く姿は、古くから日本人の美意識に寄り添ってきました。露を帯びて揺れる姿や、実を結びつつある様子など、移ろいゆく季節の儚さを象徴する季語として愛されています。

この季語で詠むコツ

「草の花」は抽象的な表現であるため、単に「草の花がある」と詠むだけでは情景がぼやけてしまいます。ポイントは、その花が置かれている「環境」や、作者の「動作・感覚」を具体的に描写することです。例えば、光の当たり方、風の強さ、足元の土の感触、あるいは花の小ささや色合いなどを五感を使って捉えることで、名もなき花に確かな生命の息吹を与えることができます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 視覚・光: 「夕日(ゆうひ)」「露(つゆ)」「影(かげ)」「白き(しろき)」
  • 動作・触覚: 「踏む(ふむ)」「触れる(ふれる)」「佇む(たたずむ)」
  • 空間・背景: 「道のべ(みちのべ)」「古寺(ふるでら)」「垣根(かきね)」

草の花」の俳句例 (4件)

名を聞いて また見直すや 草の花
草の花いづれが秋の初めなる
松尾芭蕉【現代語訳】野に咲くさまざまな草の花のうち、一体どれが一番最初に秋の訪れを告げたのだろうか。 【鑑賞】初秋の野原を見渡すと、いつの間にかたくさんの草花が咲き競っています。それぞれの花が静かに秋の訪れを知らせてくれた、その生命の営みに対する愛おしさと、季節の移り変わりへの繊細な気づきが詠まれています。
草の花何といふ名も知らぬかな
正岡子規【現代語訳】道端にひっそりと咲いている草の花だが、その名前が何というのか、私には分からないことよ。 【鑑賞】名もなき野の花に対する子規の素朴な眼差しが感じられます。名前を知らないからこそ、その花のありのままの美しさや儚さに心が引き寄せられる、写生を重んじた子規らしい純粋な一句です。
草の花ふめば薫るや夕日影
高浜虚子【現代語訳】夕日の光が差し込む中、足元の草の花を踏みしめると、ふわりと良い香りが立ち上ってくることだ。 【鑑賞】「踏めば薫る」という触覚・嗅覚の感覚と、「夕日影」という視覚的な情景が見事に融合しています。静かな秋の夕暮れの空気感と、草花が持つ秘められた生命力が、五感を通して鮮やかに描き出されています。

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