草刈相撲
autumn 植物

草刈相撲

くさかりすもう

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意味・由来

「草刈相撲(くさかりすもう)」は、秋の季語です。かつて農作物の収穫期や、冬に備えての草刈り作業の合間に、若者や子供たちが刈り取った草の上や野原で即席の相撲を取って遊んだことに由来します。労働の合間の、束の間の息抜きとして行われたこの風習は、単なる遊びを超えて足腰を鍛え、地域の若者たちの絆を深める役割も持っていました。実りの秋、そして自然のなかで泥だらけになって遊ぶ人々の、のどかで活気に満ちた生活の様子が伝わる季語です。

この季語で詠むコツ

本格的な大相撲とは異なり、土俵もまわしもない、草の上の即席相撲である点に注目しましょう。刈り取られた草の瑞々しい匂い、飛び散る汗、踏ん張る素足の感覚など、五感を刺激する具体的な描写を取り入れると、生き生きとした句になります。また、勝負の勝ち負けによる微笑ましい感情の揺れや、賑やかな声が静まった後の秋の夕暮れの寂しさを対比させるのも効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 身体や感覚:汗、素足、息弾む、草の香、転ぶ
  • 風景や自然:秋風、夕日、野原、刈り跡、影法師
  • 感情や人:笑い声、悔し涙、童(わらべ)、若者

草刈相撲」の俳句例 (3件)

草刈の相撲にまけて戻りけり
炭太祇【現代語訳】草刈りの合間の相撲に負けてしまい、悔しさを抱えながらトボトボと家路につくことだ。 【鑑賞】草刈りという労働の合間に繰り広げられた、素朴で微笑ましい草刈相撲の一コマ。負けた悔しさを少し引きずりながら歩く少年の可愛らしい後ろ姿と、のどかな秋の夕暮れの風景が、太祇の軽妙なタッチによって生き生きと描かれています。
草刈の相撲を見にや鴫一羽
小林一茶【現代語訳】草刈りの人々が賑やかに相撲を取っている。それをまるで特等席で見物しているかのように、一羽の鴫(しぎ)が近くに佇んでいることよ。 【鑑賞】一茶らしい、小さな生き物に対する優しい眼差しとユーモアが溢れる句です。人間たちの楽しげな大騒ぎと、それを見つめる静かな鴫の姿が実に対照的で、秋の野原の温かで平和な空気感が伝わってきます。
草刈の相撲のあとの夕日かな
正岡子規【現代語訳】草刈りの合間にさんざん相撲を取って遊び、それが終わった後の静かな野原を、大きな秋の夕日があたたかく照らしていることだ。 【鑑賞】激しく動き回ったあとの心地よい疲労感と、あたりを包み込む静けさ。そして西の空に沈みゆく美しい夕日。動から静への見事な転換と、秋の日の暮れやすさを一幅の絵画のように捉えた、哀愁漂う名句です。

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