香草
autumn 植物

香草

こうそう

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意味・由来

「香草(こうそう)」は、文字通り独特の芳香を持つ草の総称であり、俳句においては「秋」の季語に分類されます。紫蘇(しそ)や薄荷(はっか)といった和のハーブから、バジル、セージ、ローズマリーなどの西洋ハーブ、さらには野山に自生する芳香のある草花までを広く含みます。秋の澄んだ大気の中で、これらの草が放つ清涼感ある香りは、哀愁を帯びた秋の情景に鮮やかな彩りと立体感を与えてくれます。

この季語で詠むコツ

香草を詠む際は、ただ「良い香りがする」と描写するだけでなく、その香りを嗅いだ瞬間の身体感覚や、呼び起こされる記憶、季節の移ろいと結びつけるのがコツです。「摘む」「ちぎる」「剪る(きる)」「踏む」といった人間や動物の動作を絡めることで、葉や茎から一気に香りが立ち上る「動的な瞬間」を表現しやすくなります。

相性のいい言葉・取り合わせ

嗅覚を刺激する季語であるため、五感(特に視覚や触覚)に働きかける言葉と好相性です。「雨」「風」「霧」「露」などの気象を表す言葉と合わせると、湿り気や空気感を伴って香りが生々しく伝わります。また、「指先」「爪」「足裏」といった具体的な身体の部位や、「乾く」「干す」「剪る」といった香草の状態を表す動詞との取り合わせも効果的です。

香草」の俳句例 (3件)

香草を剪るやはらかに秋の雨
富安風生【現代語訳】秋の静かな雨が降る中、香草をハサミでそっと剪(き)り取っている。その雨の感触も、香草を剪る手応えも、すべてが柔らかく満ち足りている。 【鑑賞】雨に濡れることで、香草の放つ香りはさらに優しく、しっとりと立ち上ります。「やはらかに」という言葉が、秋雨の細やかさと、香草を愛おしむ作者の心境を見事に調和させている名句です。
香草に露の重りぬ秋の風
飯田蛇笏【現代語訳】香草の葉の上に、秋の夜露が重たげに降りてたまっている。そこへ、冷ややかな秋の風がそっと吹き抜けていく。 【鑑賞】香草の強い香りと、きらめく露の質量感、そしてそれを揺らす秋風の涼しさが、五感を刺激する一句です。露の「重み」という触覚的な表現が、香草の存在感をより際立たせています。
香草を植ゑて日あたる秋の庭
山口青邨【現代語訳】庭の片隅に香草を植えた。そこへ、やわらかな秋の太陽の光が穏やかに降り注いでいる。 【鑑賞】新しく植えられた香草が、秋の光を浴びて瑞々しく輝いている様子を描いています。静かで平和な日常のひとときと、香草の爽やかな香りが庭いっぱいに広がるような健やかさを感じさせる佳品です。

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