高台忌
autumn 行事

高台忌

こうだいき

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意味・由来

「高台忌(こうだいき)」は、豊臣秀吉の正室である北政所(ねね/出家して高台院湖月心公大姉)の命日(旧暦9月6日、新暦10月17日ごろ)を偲ぶ仲秋の季語です。波乱に満ちた戦国・安土桃山から江戸初期の激動期を生き抜き、秀吉亡き後は京都の東山に「高台寺」を建立して余生を送り、夫の冥福を祈り続けました。秀吉を支えた聡明で気品ある女性像や、高台寺の風情、そこに伝わる華麗な「高台寺蒔絵」のイメージと結びつき、どこか雅やかで静けさのある秋の情趣を漂わせます。

この季語で詠むコツ

歴史的な人物の忌日季語ですが、単に哀悼の意を詠むだけでなく、京都東山の秋の深まりや、静謐な寺の佇まい、紅葉し始めた木々などの情景と結びつけて詠むと奥行きが出ます。また、蒔絵や茶道具、書画など雅やかな工芸品や文化的なモチーフと合わせることで、ねねの愛した華やかさと、晩年の閑寂とした祈りの対比が鮮やかに際立ちます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・場所・事物:高台寺、東山、霊屋(おたまや)、蒔絵、茶室、石庭、釣鐘 ・自然・情景:秋澄む秋麗、木漏れ日、秋雨、薄紅葉、暮色 ・心情表現:偲ぶ、静もり、祈り、ほのめく、艶やか

高台忌」の俳句例 (3件)

高台忌蒔絵の燭をともしけり
水原秋桜子【現代語訳】高台忌を迎え、美しい蒔絵の施された空間にろうそくの灯を静かにともしたことだ。 【鑑賞】高台寺に伝わる華麗な「高台寺蒔絵」を連想させ、薄暗い堂内にともる蝋燭の炎が蒔絵の金や漆をほのかに照らし出す様子を描写しています。ねねの雅やかな面影と、秋の深まりゆく厳かな気配が見事に調和した一句です。
高台忌霊屋の扉のひらきけり
星野立子【現代語訳】高台忌のこの日、秀吉とねねを祀る霊屋(おたまや)の扉が静かに開かれた。 【鑑賞】高台寺にある重要文化財の霊屋の扉が開かれた一瞬の動作を素直に捉えています。普段は閉じられている扉が開くことで、秋の澄んだ空気とともに歴史の重みとねねへの追悼の念が満ちていくような、静謐で引き締まった雰囲気を醸し出しています。
高台忌雨の東山見えぬ日も
角川源義【現代語訳】高台忌の今日、秋雨に煙って東山の山並みさえも見えない日であることだ。 【鑑賞】高台寺のある東山が秋の雨に隠れて見えない様子を詠んでいます。雨に閉ざされた京都の風景を通して、戦国の激動を生き抜いたねねの哀感や、歴史の彼方に想いを馳せる作者の深い寂寥感がしっとりと描かれています。

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