小鳥網
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小鳥網

ことりあみ

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意味・由来\n「小鳥網(ことりあみ)」とは、秋に山野を渡ってくる鶸(ひわ)や鶫(つぐみ)などの小鳥を捕獲するために張られる網のことです。特に秋、山肌や尾根の木々の間、見通しの良い峠などに仕掛けられました。細い糸で編まれた網は遠目には見えにくく、秋の光や風に溶け込みます。渡り鳥の訪れという自然の巡りと、それらを捉えようとする人間の生活の営みが結びついた、秋ならではの哀愁と緊張感を漂わせる季語です(※現代では野鳥保護の観点から使用が厳しく制限・禁止されている網もありますが、伝統的な秋の風情を詠む季語として親しまれています)。\n\n### この季語で詠むコツ\n小鳥網そのものを単なる猟具として詠むだけでなく、秋の山の深さや澄んだ大気の気配、あるいは夕暮れの光など、周囲の自然描写と結びつけるのがポイントです。また、網の向こうに見える秋の山景色や、網に気づかず飛んでくる鳥たちの無心さ、張り詰めた静けさなどを対比的に捉えると、深い余情が生まれます。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n- 山の情景:尾根(おね)、峠、薄紅葉(うすもみじ)、秋風、山霧\n- 光・時間:夕日、日ざし、たそがれ、朝靄\n- 静寂と動意:羽音、静けさ、揺らぎ、細き糸

小鳥網」の俳句例 (3件)

小鳥網張つてあるとも知らざりき
高浜虚子【現代語訳】ここに小鳥網が張られてあるとは、全く気づきもしなかったことだ。\n【鑑賞】澄んだ秋の空気の中に巧みに張られた網の透明感と、それに気づいたときの驚きを平明な言葉で詠んでいます。網の存在を通じて、周囲の山道の静けさや秋の光の繊細さが際立つ一句です。
小鳥網かけて日の入る静さよ
正岡子規【現代語訳】小鳥網を張り終えた山に、夕日が沈んでいく静けさであることよ。\n【鑑賞】網を仕掛け終えたあとの山頂や林に訪れる夕暮れの静寂を描いています。鳥を待つ静寂と、秋の日の入りの寂寥感が重なり合い、山里の秋の深まりを美しく切り取っています。
小鳥網張るや日ざしの薄紅葉
飯田蛇笏【現代語訳】小鳥網を張っている山肌に、秋の柔らかな日ざしが差し込み、色づき始めた薄紅葉を照らしている。\n【鑑賞】山間の澄んだ大気と、色づき始めた紅葉の色彩、そして網を張る情景が見事な一幅の絵のように調和しています。甲斐の自然を愛した蛇笏らしい、格調高く清澄な秋の情景句です。

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