葫蘆
autumn 生活

葫蘆

ころ

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意味・由来

「葫蘆(ころ)」とは、ウリ科の蔓性一年草である瓢箪(ひょうたん)の漢名です。果実は中央にくびれがある独特の形をしており、古くから乾燥させて果肉をくり抜き、酒器や水入れ、薬入れなどの容器として愛用されてきました。中国の故事や漢詩文、道教・仏教の説話にも頻繁に登場し、仙人や隠者の風流な生活を象徴する道具でもあります。俳句においては、親しみやすい和語の「瓢(ひさご)」「瓢箪」「ふくべ」の傍題として秋の季語に分類され、特に漢語ならではの枯淡や雅趣、静寂感を詠み込みたい場面で用いられます。

この季語で詠むコツ

「ひょうたん」という言葉が持つユーモラスで素朴な響きに比べ、「葫蘆」という表記・音は、どこか風狂や隠棲の気配、落ち着いた品格を漂わせます。秋風に揺れる棚の風情、実が熟して軽くなっていく秋の深まり、あるいは酒を湛える器としての佇まいなどを描くことで、静かで味わい深い世界観を表現できます。硬質な名詞だからこそ、日常的なくだけた描写よりも、陰影や静けさのある叙景と響き合います。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 道具・用途に関する言葉:酒、薬、紐、棚、軒先
  • 季節や自然を描く言葉:秋風、秋気、夕日、残照、月影
  • 心情・風情を表す言葉:閑か(しずか)、枯る、幽か、仙客

葫蘆」の俳句例 (3件)

葫蘆棚に秋の夕日のこりけり
飯田蛇笏【現代語訳】瓢箪棚に、沈みゆく秋の夕日が名残惜しそうに赤く差していることだ。【鑑賞】夕暮れの秋の光が、ぶら下がる葫蘆の実と葉を照らし出しています。蛇笏らしい格調高く澄んだ叙景の中に、秋の日の暮れやすさと静けさが凝縮されている名句です。
葫蘆生れて秋風立ちぬ棚の下
正岡子規【現代語訳】棚に瓢箪の実が結実し、その棚の下を涼やかな秋風が吹き抜けていく。【鑑賞】実を結んだばかりの葫蘆と、吹き始めた秋風という二つの季節の兆しを簡潔に捉えています。棚の下という立体的な空間に心地よい風が通る感覚を素直に写生しています。
葫蘆棚の月落ちかかる夜半かな
高浜虚子【現代語訳】夜が更けて、瓢箪棚の向こうに秋の月がまさに沈もうとしている。【鑑賞】静まり返った夜半の情景です。蔓や実が複雑に影を落とす棚の向こうに傾く月の光景が、秋の夜の冷気と深まりゆく寂寥感を鮮やかに描き出しています。

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