木の実団子
autumn 植物

木の実団子

このみだんご

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意味〃由来

木の実団子(このみだんご)」は、秋に収獲されたどんぐりや栃の実、葛などの木の実を竅いて粉にし、練り上げて作った団子のことです。かつては山間部の貴重な保存食であり、また街道の茶屋などで出される素朴な名物として親しまれていました。秋の深まりとともに味わうこの団子は、山里の蔵びた暮らしや自然の恵みへの感請を覚えさせる、どこか温かみのある哀愁を帯びた季誮です。

この季語で詠むコツ

素朴な「不格好さ」や「手作りの温もり」、そして「微かな渋みや香ばしさ」などの具体な味覚・触覚を意識して詠むと効果的です。また、団子を味わう山路の茶屋や峠、静かな庵など、少し峂しげな秋の頨景と取り合わせることで、季誮の持つ旅情や隋の美がより一層引き立ちます。

相性のいい言葉〃取り合わせ

  • 景物・場所:山路(やまじ)、峠、茶屋、庵、秋の頨、稀なる日差し
  • 状態・具体品:素朴、温かし、茶の湯、笹の葉、窐の煙
  • 動作:休む、すする、あたためる、買う、落とす

木の実団子」の俳句例 (3件)

木の実だんご売るや清水の秋の風
宝井其角【現代語訳】清水寺のあたりで、名物の木の実団子を売っている。そこへ吹き抜ける秋の風が、なんとも心地よく感じられることだ。【鑑賞】京都・清水寺の参道や境内などで、素朴な木の実団子を商う様子を、爽やかな秋の風とともに捉えた一句です。「清水」の清涼な水のイメージと、木の実団子の鄙びた味わい、そして秋風の涼しさが絶妙に調和し、旅情あふれるすっきりとした情景を描き出しています。
木の実だんごに庵の煙や秋の風
松瀬青々【現代語訳】粗末な庵から立ち上る煙。その庵で作られているのだろう、木の実団子を茹でる煙に、秋の風が静かに吹き抜けていく。【鑑賞】山里の静かな庵の暮らしを、温かみのある生活感とともに描いています。木の実団子を作る竈から立ち上る煙と、それをそよそよと流す寂しげな「秋の風」。素朴な食べ物を作る日常の営みが、秋の哀愁をまとって優しく表現されています。
木の実だんご落して赤し秋の風
夏目漱石【現代語訳】せっかくの木の実団子をうっかり地面に落としてしまった。その団子が、寂しい秋の風が吹く中でぽつんと赤く見えている。【鑑賞】木の実団子の自然な赤み、あるいは色づけされた赤が、地面に落とされたことで、冷たい秋の風の中で鮮やかに浮かび上がる様子を描いています。落としてしまったという小さな失敗の可笑しみと、視覚的な色彩の対比が、漱石らしいユーモアと哀愁を漂わせています。

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