蒟蒻の花
autumn 植物

蒟蒻の花

こんにゃくのはな

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意味・由来

「蒟蒻の花(こんにゃくのはな)」は、秋の季語です。こんにゃく芋は通常、食用として収穫されるため花を咲かせることは滅多にありませんが、収穫されずに5年ほど生育した球茎から、晩夏から初秋にかけて突然巨大な花茎が伸び、赤紫色から黒褐色の奇妙で妖艶な仏炎苞(ぶつえんほう)を持つ花を咲かせます。その不気味な姿や、受粉のために放つ独特の異臭、めったに見られない珍奇さから、古くから俳人の興味を惹きつける季語となっています。

この季語で詠むコツ

食卓に並ぶ馴染み深い「こんにゃく」の素朴でぷるぷるしたイメージと、実際の「蒟蒻の花」が持つグロテスクで妖しい姿との落差を意識することが第一のコツです。また、滅多に咲かない「狂い咲き」のような神秘性や、秋の曇天・夕暮れの薄暗がりと取り合わせることで、この花特有の重苦しく妖異な存在感を効果的に引き立てることができます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・色彩・光:黒紫、暗がり、陰影、夕日、鈍き光 ・天候・情景:曇天、湿り、山影、畑の隅、土の匂ひ ・感情・質感:妖気、不気味、立ち竦む、異様、沈黙

蒟蒻の花」の俳句例 (3件)

蒟蒻の花に夕日の残りけり
高浜虚子【現代語訳】畑の隅に咲いた不気味な蒟蒻の花に、沈みゆく夕日の光が名残惜しそうに残っている。 【鑑賞】赤黒く異様な存在感を放つ蒟蒻の花に、暮れなずむ夕日が当たっている光景を写生した句です。夕日の赤さと花の赤紫色が重なり合い、秋の夕暮れの寂寥感と妖しさが静かに際立っています。
蒟蒻の花の立ちたる曇かな
村上鬼城【現代語訳】どんよりと空が曇る中、蒟蒻の花がすっくと異様な姿で立ち尽くしていることよ。 【鑑賞】秋の重々しい曇り空と、天に向かって突き立つ蒟蒻の花の独特な形状が見事に調和しています。「立ちたる」という力強い描写が、静まり返った畑の中に潜む異様な生命力を際立たせています。
蒟蒻の花の咲く日は山曇る
角川源義【現代語訳】めったに咲かない蒟蒻の花が咲くような日は、山全体が怪しげに曇るものだ。 【鑑賞】蒟蒻の花が咲くことの珍しさと不吉にも似た妖気を、山が曇る自然現象と結びつけて詠んだ一句です。民間伝承のような神秘的で土着的な雰囲気が漂っています。

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