小重陽
autumn 生活

小重陽

こちょうよう

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意味・由来

「小重陽(こちょうよう)」とは、陰暦9月9日の「重陽の節句(菊の節句)」から10日経った陰暦9月19日を指す季語です。「後重陽(のちのちょうよう)」や「菊の後(きくののち)」とも呼ばれます。中国や日本の雅びな風習として、重陽の節句の宴の余韻を惜しみ、再び菊の花を愛でて酒を酌み交わしたことに由来します。菊の盛りが過ぎ、深まりゆく晩秋の静けさや侘しさが色濃くなる頃合いを示します。

この季語で詠むコツ

華やかだった重陽を振り返りつつ、秋の終わりが近づく「名残」や「静寂」を捉えるのがポイントです。咲き誇る菊よりも、少し盛りを過ぎた花や、ひんやりと澄んだ晩秋の空気、夕暮れの美しさなどと合わせると季語の持つ余情が際立ちます。賑やかさよりも落ち着いた心境や風景を意識して言葉を選びましょう。

相性のいい言葉・取り合わせ

・自然・風景:残菊、夕雲、秋晴、澄む水、山、谷戸 ・情調・動作:静寂、名残、盃、暮色、惜しむ、ひとり

小重陽」の俳句例 (3件)

小重陽山静かなり雨の中
高浜虚子【現代語訳】小重陽の今日、しとしとと降る雨の中に山々が静まり返っている。【鑑賞】重陽の祝祭感が去ったあとの、晩秋特有のしっとりとした静寂を素直に写し取った句です。雨に煙る山の落ち着いた佇まいに、去りゆく秋の気配が深く滲み出ています。
小重陽夕づく雲のうつくしき
飯田蛇笏【現代語訳】小重陽の夕暮れどき、空に広がる雲が実に見事である。【鑑賞】晩秋の澄み切った大気に浮かぶ夕雲を詠んだ雄大な一句です。重陽の名残を惜しむ季節の寂寥感と、夕映えの雲の凛とした美しさが美しく調和しています。
小重陽水澄みまさる谷戸田かな
詠み人知らず【現代語訳】小重陽のころとなり、谷あいの田を潤す水は一段と清らかに澄んでいる。【鑑賞】晩秋の冷気とともにいっそう透明度を増す水辺の光景を描写しています。「小重陽」という時候の季語に「澄む水」という視覚的清涼感を重ねることで、澄明な秋の深まりを表現しています。

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