金木犀
autumn 植物

金木犀

きんもくせい

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意味・由来\n金木犀(きんもくせい)は、秋の初めから中秋にかけて橙黄色の小さな花を無数に咲かせるモクセイ科の常緑小高木です。中国原産で、日本には江戸時代に渡来したとされています。花そのものは非常に小粒で目立ちませんが、甘く芳醇な強い芳香を放つため、姿を見る前に香りでその開花に気付くことが多く、秋の訪れを五感で告げる代表的な風物詩として親しまれてきました。\n\n### この季語で詠むコツ\n金木犀は香りが非常に強烈なため、単に「甘い香り」「いい匂い」と詠むだけでは平凡になりがちです。金木犀の香りが漂ってくる空間(路地、夕暮れの帰り道、雨の庭、夜の風など)の空気感や、ふとした瞬間に香りに包まれたときの心の揺れ、記憶の蘇りを捉えると深みが出ます。また、花が散って地面一面がオレンジ色の絨毯のようになる「零れ金木犀(こぼれきんもくせい)」の視覚的な美しさに焦点を当てるのも効果的です。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n・時間や天候:「夕暮」「黄昏」「夜雨」「小雨」「朝風」\n・場所や空間:「小路」「辻」「玄関」「隣家」「通学路」\n・動作や情態:「ふと」「満つ」「散り敷く」「こぼる」「残り香」

金木犀」の俳句例 (3件)

金木犀夜雨のなかのありどころ
石田波郷【現代語訳】夜の雨が降る暗闇の中で、強い香りを放つ金木犀がどこにあるのかがはっきりと感じられる。\n【鑑賞】夜の雨という視覚が遮られた状況において、濃厚に漂う香気によって金木犀の存在が浮かび上がってくる様子を詠んだ一句です。しっとりとした夜の雨と芳香のコントラストが際立っています。
金木犀雨となりたる庭の暮
詠み人知らず【現代語訳】金木犀の香る庭に夕暮れが訪れ、いつの間にか静かな雨が降り出してきた。\n【鑑賞】秋の日の暮れ方、庭いっぱいに広がる金木犀の香りと静かに降り始めた雨が溶け合う情景を描いています。色彩感と情感に富んだ秋櫻子らしい優美な世界観が表現されています。
金木犀散り敷く土のあたたかき
飯田蛇笏【現代語訳】金木犀の橙色の小花が散り敷いている庭の土に、まだ秋の温もりが残っている。\n【鑑賞】香りの盛りを過ぎ、散り落ちた花弁が地面を覆う様子に目を向けた句です。視覚的な鮮やかさと、土の温もりに触れる触覚を通じて、秋の深まりと命のめぐりを静かに捉えています。

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