菊大輪
autumn 植物

菊大輪

きくたいりん

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意味・由来

「菊大輪(きくたいりん)」は、秋に咲く菊の中でも、特に丹精込めて育てられ、一花が大きく見事に開いた大輪の菊を指す季語です。秋深まる頃に開催される菊花展などで中心となる大菊は、堂々とした風格と気品を備えています。古来、菊は長寿や高潔さの象徴とされてきましたが、大輪菊はその美の至高を表すものとして親しまれています。

この季語で詠むコツ

「菊大輪」を詠む際は、その花の圧倒的な大きさや華やかさだけでなく、花が置かれた「空間の静けさ」や「空気感」を捉えることがコツです。花一輪の存在感が際立つように、周囲の広がりや光、影との対比を意識しましょう。また、愛好家が手塩にかけて育て上げた背景に想いを馳せるのも効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 空間を表す言葉(広間、床の間、静けさ、一輪)
  • 状態・光を表す言葉(澄む、日ざし、影、気品)
  • 人の動作(仰ぐ、置く、佇む、集う)

菊大輪」の俳句例 (3件)

菊大輪一花を載する鉢ひとつ
山口誓子【現代語訳】大輪の菊が、ただ一花だけ咲いている鉢がひとつ置いてある。 【鑑賞】余計なものを削ぎ落とし、一鉢に一花のみを咲かせる菊作りの真髄を簡潔に詠んでいます。無駄のない描写だからこそ、大輪の花の完成された造形美と緊張感が引き立ちます。
菊大輪人集りてはなれけり
星野立子【現代語訳】大輪の菊の前に人々が集まって見入っていたが、やがて立ち去っていった。 【鑑賞】菊花展などでの一コマを素直に捉えた句です。人だかりができた後の静けさの中で、なおも凛として咲き続ける大輪菊の揺るぎない存在感が鮮やかに浮かび上がります。
菊大輪ひとつ置かるる広間かな
高浜虚子【現代語訳】見事な大輪の菊がひとつだけ置かれている広間であることよ。 【鑑賞】広い室内にぽつんと置かれた大輪の菊一輪。その圧倒的な存在感と気品、そして周囲に漂う澄んだ静寂が見事に表現されています。空間の美と菊の美しさが調和した名句です。

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