菊師
autumn 植物

菊師

きくし

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意味・由来

「菊師(きくし)」とは、菊の栽培や手入れ、そして菊人形などの仕立てを専門とする職人のことを指す秋の季語です。秋になると各地で菊展や菊人形展が催されますが、その陰には菊の花を最も美しく魅せるために長年の経験と技術を注ぎ込む菊師たちの存在があります。丹精込めて育て上げ、見事な造形美を作り出す職人の姿やその技に対する敬意と情緒が込められた季語です。

この季語で詠むコツ

菊師を詠む際は、華やかな菊の花そのものよりも、職人の「動作」や「道具」、「まなざし」に焦点を当てることがポイントです。剪定鋏の音、指先の細やかな動き、耳に挟んだ鋏、作業着の泥汚れなど、職人らしさを伝える具体的な観察を詠み込むことで、句に生々しい情熱やリアリティが生まれます。菊の豪華さと地道な職人技の対比を意識してみましょう。

相性のいい言葉・取り合わせ

・道具や動作:鋏、針金、整ふ、仕立てる、指先 ・職人の姿や情景:まなざし、丹精、作業着、息づかい ・背景や場所:菊人形、菊展、小屋、秋日和

菊師」の俳句例 (3件)

菊師いま菊の中なる人なりき
後藤夜半【現代語訳】菊師は今、見事に咲き誇る菊の真っ只中に没頭し、まるで菊と一体になったかのようである。 【鑑賞】菊人形の制作や大菊の飾り付けに没頭する菊師の姿を描いています。丹精込めた菊の花々に囲まれ、一心不乱に働く姿に職人の美意識と情熱が感じられます。
菊師等や鋏をはさむ耳の上
正岡子規【現代語訳】菊師たちが働いている。職人の習わしで、剪定用の鋏を耳の上に挟んでいることだ。 【鑑賞】菊の手入れをする職人たちの姿を、耳の上に鋏を挟むという具体的な仕草から切り取った写生句です。職人ならではの粋で無駄のない所作が鮮やかに浮かび上がります。
菊師来て菊のまはりの整理かな
高浜虚子【現代語訳】菊師がやって来て、きれいに咲く菊の周囲の手入れや配置の整理をしていることだ。 【鑑賞】菊展の会場などで、菊師が細やかに心を配りながら菊鉢のバランスや枝ぶりを整えている静かで確かな仕事風景を、客観的に捉えた一句です。

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