菊人形展
autumn 植物

菊人形展

きくにんぎょうてん

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意味・由来

菊人形展(きくにんぎょうてん)は、秋の深まりとともに全国の公園や寺社などで開催される、菊の花で衣装を飾った人形を展示する催しです。江戸時代後期に江戸の染井や駒込などで始まった「菊人形」がルーツとされており、歌舞伎の名場面や歴史上の人物、物語の登場人物などを模して作られます。職人が根付きの菊を一本ずつ竹の枠組に巻き付けて精巧に衣服を表現する、日本の伝統的な秋の風物詩です。

この季語で詠むコツ

菊人形展を句に詠む際は、単に美しさを描写するだけでなく、菊人形特有のどこか神秘的で人間味あふれる佇まいや、生花ならではの生命感・香りに着目するのがコツです。職人が手入れをする場面や、菊花の傷みを替える「着替え」、精巧な首(顔)の表情など、観察の視点を細かく絞ることで臨場感あふれる一句になります。また、見物客の賑わいや秋晴れの会場の雰囲気を描写するのも効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

・首、顔、着替え、衣装、竹組(人形の構造や制作にまつわる言葉) ・人波、賑わい、秋日和、晴天(展示会場の雰囲気や天候に関する言葉) ・歴史上の人物名、歌舞伎の演目名(モチーフにちなむ表現)

菊人形展」の俳句例 (3件)

菊人形首のなき日もありにけり
高浜虚子【現代語訳】菊人形展の準備中なのだろうか、菊人形の首がまだ据え付けられていない日もあったことだ。【鑑賞】菊人形の制作過程やメンテナンスの裏側に焦点を当てた興味深い一句です。華やかな展示の陰にある、ちょっと滑稽で少し不気味でもある舞台裏の瞬間を見事に切り取っています。
菊人形どこか似てゐる親子かな
川端茅舎【現代語訳】飾られている菊人形を見ていると、顔立ちや雰囲気がどこか似ている親子だなあ。【鑑賞】人形のモデルとなった歴史上の人物や物語の親子に注目した句です。菊花の装飾だけでなく、表情や佇まいに宿る人間味を感じ取り、ほのぼのとした温かみを描き出しています。
菊人形着換へて衣裳あらたまる
山口青邨【現代語訳】菊人形の菊の花が傷んだためか付け替えられ、装いがすっかり新しくなった。【鑑賞】菊人形は生花で作られているため、会期中に花の着替え(手入れ)が行われます。新鮮な菊の花に包まれて生き生きと蘇る人形の美しさと、秋の深まりゆく趣を丁寧に描写しています。

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