菊供養
autumn 植物

菊供養

きくくよう

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意味・由来

「菊供養(きくくよう)」は、毎年10月18日に東京・浅草の浅草寺で行われる秋の仏事です。参詣者が持参した菊の花を本尊の観音様に供え、代わりに仏前に供えられていた「お下がりの菊」を持ち帰ります。このお下がりの菊を飾ったり、煎じて飲んだり、枕の下に敷くことで、無病息災や延命長寿を祈願します。重陽の節句(菊の節句)における菊の延命長寿の信仰が、観音信仰と結びついた伝統的な行事です。

この季語で詠むコツ

浅草寺の賑やかでありながらも厳かな境内、そこに集う人々の敬虔な姿を写生するのが基本です。色鮮やかな菊の花の美しさだけでなく、線香の煙、秋の澄んだ空、あるいは参拝を終えた後の心地よい安堵感や夕暮れの物寂しさなど、時間や空間の広がりを捉えると深い味わいが出ます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 観音、浅草、境内、鳩、煙
  • 人波、列、お下がり、手向ける
  • 日暮、秋晴れ、夕風、茜空

菊供養」の俳句例 (3件)

菊供養人のかたまり動きだす
安住敦【現代語訳】菊供養の境内に集まっていた人々の群れが、ゆっくりと動き始める。【鑑賞】多くの参詣客で賑わう行事の動的な一瞬を捉えた句です。一塊になっていた群衆が、行事の進行に合わせて波のように動き出す様子が、生き生きと描かれています。
菊供養してそれからの日暮かな
久保田万太郎【現代語訳】菊供養を済ませて、それからの夕暮れ時であることよ。【鑑賞】浅草寺での菊供養を無事に終え、ほっと一息ついたところに訪れる秋の日の静かな夕暮れ。下町の風情と、どこか寂しげな秋の気配が心に染みる名句です。
菊供養おのづからなる列にあり
星野立子【現代語訳】菊供養のために集まった人々が、自然と美しい列を作っている。その列に私も並んでいる。【鑑賞】浅草寺の境内で、急かされることもなく自然にできあがった参拝の列。その一部となって静かに順番を待つ作者の、穏やかで敬虔な心持ちが素直に表現されています。

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