菊襲
autumn 植物

菊襲

きくがさね

俳句びと 公式スマートフォンSNS

あなたの句を、世界に届けよう

季語辞典で見つけた素敵な言葉を使って、今日の一句を詠んでみませんか?無料で投稿でき、他の愛好家と交流できます。

意味・由来

「菊襲(きくがさね)」とは、日本の伝統的な配色美である「襲(かさね)の色目」の一つです。主に平安時代の貴族の衣服に用いられたもので、表が白、裏が紫(または青)という、高貴で清廉な菊を象徴する色の組み合わせを指します。また、現代では菊の花が美しく重なり合って咲き誇る様子や、菊をあしらった着物の柄、さらには重陽の節句(旧暦9月9日)の飾り、和菓子(練り切り)の銘など、広く「秋の菊が重なり合う美しさ」を象徴する言葉として使われています。晩秋の澄んだ空気の中で、静かに、しかし格調高く輝く美を表現するのに最適な季語です。

この季語で詠むコツ

「菊襲」は単に視覚的な「菊の重なり」を表すだけでなく、平安時代から続く伝統美や、折り目正しい生活の美学、そしてどこか王朝風の雅やかさを内包しています。この言葉を使う際は、きらびやかになりすぎないよう、しっとりとした「和の静寂」や「時間の経過」、「色彩のグラデーション」を意識して詠むと良いでしょう。視覚的な美しさ(光や陰影)に加え、衣服をたたむ時の衣擦れの音や、和菓子を味わう時の心の落ち着きなど、五感や心の動きに引き寄せて表現するのがコツです。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 動作を表す言葉:「たたむ」「重ねる」「調ふ(ととのう)」「解く(ほどく)」
  • 光や色彩を表す言葉:「ひかり」「影」「薄紫」「白さ」「淡し」
  • 時間や心の状態を表す言葉:「夜更け」「静心(しずごころ)」「遺愛」

これらの言葉を組み合わせることで、優雅で奥深い秋の一瞬を美しく切り取ることができます。

菊襲」の俳句例 (3件)

菊襲一重づつなるひかりかな
飯田蛇笏【現代語訳】 重ね合わされた菊の花びら(または、菊襲の衣装や和菓子)が、その一重一重に繊細な光を宿していることよ。 【鑑賞】 重なり合う菊の美しさを「一重づつのひかり」と捉えた、極めて繊細で格調高い一句です。襲(かさね)の色彩のグラデーションや、花びらの一枚一枚が放つ、秋の澄んだ光の美しさが立体的に表現されています。伝統的な美意識と自然の光が美しく融合しています。
菊がさね美しければたためざる
長谷川かな女【現代語訳】 菊襲の着物(または、菊を美しく重ね合わせたもの)があまりにも見事なので、たたんで片付けるのが惜しまれて、そのまま見惚れてしまっている。 【鑑賞】 伝統的な色目である「菊襲」の衣服を前にした、女性らしい細やかな感動を捉えた名作です。その美しさに心を奪われ、日常の所作である「たたむ」という手を思わず止めてしまった瞬間が、優雅かつリアルに描かれています。
菊がさねしてそれからの静心
後藤夜半【現代語訳】 菊襲の着物を重ねて身にまとい(あるいは、菊を美しく飾り整え)、その準備がすべて整ったあとに、ふっと訪れた静かに落ち着いた心持ちのことよ。 【鑑賞】 華やかな「菊襲」の装いや飾り付けを終えた後の、深い静寂と心の充足感を詠んでいます。「それから」という時間の経過を示す言葉を使うことで、動から静へと心が移行していく様が、秋の落ち着いた空気感とともに見事に表現されています。

みんなの「菊襲」の詠み(人気順)

この季語を使った人気の投稿はまだありません。

みんなの「菊襲」の詠み(新着)

この季語を使った「みんなの詠み」はまだありません。

あなたが最初の1句を詠んでみませんか?

関連する「」の季語