観音草
autumn 植物

観音草

かんおんそう

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意味・由来\n観音草(かんおんそう)は秋の季語で、主にシソ科の多年草「ヒキオコシ(引起し)」や、身近な薬草である「オオバコ(車前草)」の別名とされています。ヒキオコシは、弘法大師が倒れた旅人にその汁を与えたところ忽ち回復したという伝説から「延命草」とも呼ばれ、観音菩薩の慈悲に喩えてこの名が付きました。山野の静かな場所にひっそりと生え、その優しい名が秋の寂しさに温かみを添えます。\n\n### この季語で詠むコツ\n「観音草」という名前自体が持つ、慈悲深さや素朴な尊さを生かすのがポイントです。華やかな情景よりも、山寺の境内、日陰の石段、路傍の片隅といった、静寂やわび寂びを感じさせる背景と取り合わせることで、この季語が持つ健気で哀愁を帯びた佇まいをよりいっそう引き立てることができます。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n・信仰や静寂を想起させる言葉(山寺、石仏、お堂、経の音、読経)\n・秋の繊細な自然描写(こぼれ日、薄霧、朝露、小雨、風の音)\n・慈しみや寄り添う動作(手向ける、見下ろす、佇む、労わる)

観音草」の俳句例 (3件)

日にうとき堂のひさしや観音草
大島蓼太【現代語訳】日の光があまり届かない、薄暗いお堂の軒下に、観音草がひっそりと生い茂っている。【鑑賞】江戸中期の俳人・大島蓼太の作。日陰の侘びた場所にお堂に寄り添うように自生する観音草の姿は、素朴でありながらもどこか厳かで、秋の深まりゆくお寺の風情を静かに漂わせています。
観音草まびき捨ててもなみだかな
小林一茶【現代語訳】観音様の名を冠したありがたい観音草(オオバコ)を、雑草として間引きして捨ててしまうのにも、何だか申し訳なくて涙がこぼれることだ。【鑑賞】一茶の万物に対する優しい慈愛の眼差しが感じられる一句。ただの野草であっても、そこに尊い名を見出し、抜いてしまうことにさえ深い哀れみを抱く、一茶ならではの繊細な感性が光っています。
観音草露をこぼすや法の声
立花嘯山【現代語訳】観音草に結んだ朝露が、まるでお堂から聞こえる説法(法の声)に心を打たれて流す涙のように、ぽとりとこぼれ落ちている。【鑑賞】江戸中期の俳人・立花嘯山の作。山寺の静寂な境内で、読経の響きに合わせて露が静かにこぼれ落ちる情景を、信仰心豊かに美しく写し出しています。

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