十八夜月

十八夜月

じゅうはちやづき

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意味・由来

「十八夜月(じゅうはちやづき)」とは、陰暦八月十八日の夜に出る月のことです。「十八夜」とも呼ばれ、秋の季語となっています。旧暦八月十五夜の「名月」から数えて三日目にあたり、月の出はさらに遅く、夜の八時〜九時ごろ(亥の刻近く)になります。立ちながら待つ「立待月(十七夜)」よりも遅いため、座って待つという意味から「居待月(いまちづき)」とも呼ばれます。名月の華やかな賑わいが過ぎ去り、静けさと落ち着きが増した秋の夜更けに昇る月には、独特の風情としみじみとした情緒があります。

この季語で詠むコツ

十八夜月を詠む際の最大のポイントは、「遅い月の出を待つ時間」と「夜更けの静けさ・深まる秋の気配」を表現することです。名月のように宵の口から輝くのではなく、夜がかなり更けてからひっそりと現れるため、待つ間の肌寒さや室内の静寂、家族や周囲が寝静まったあとの時間帯の情景を取り入れると、この季語ならではの味わいが際立ちます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・時間や状態を表す言葉:夜更け、夜長、待つ間、寝覚め、灯を消す、静寂 ・秋の深まりを感じさせる言葉:夜寒、露、梢、冷気、虫の声 ・静かな生活具:障子、庭下駄、手水鉢、茶碗

十八夜月」の俳句例 (3件)

十八夜まだ雲がちの月の出や
正岡子規【現代語訳】陰暦八月十八夜の月がようやく昇ってきたが、空にはまだ雲が多く、切れ間からおぼろげに姿を見せていることだ。【鑑賞】名月から数日経ち、月の出が一段と遅くなる十八夜。じっと待たされた末に現れた月が雲に覆われがちな様子を素直に写生しています。秋の夜の更けゆく冷気と、月を待望する作者の静かなまなざしが感じられる一句です。
十八夜月かたぶきて寝覚かな
加舎白雄【現代語訳】ふと夜中に目が覚めると、十八夜の月が西の空へ傾きながら静かに照らしていたことだ。【鑑賞】遅い時刻に昇る十八夜の月だからこそ、夜更けから明け方近くのふとした目覚めの瞬間に美しく傾く月影が印象に残ります。秋の夜長の静寂と、冴え冴えとした月の光が寝覚めの心に沁み入る佳句です。
十八夜の月さしのぼる梢かな
大島蓼太【現代語訳】夜もだいぶ更けたころ、十八夜の月が木々の梢のあいだから静かに差し昇ってきたことだ。【鑑賞】宵闇が深まったころ、ようやく木立の梢をかすめて光を放ち始めた月の姿を捉えています。月をじっと待っていた時間の長さと、梢の影を透かして現れた瞬間の清らかな趣が見事に描き出されています。

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