地蔵盆

地蔵盆

じぞうぼん

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意味・由来

「地蔵盆(じぞうぼん)」は、陰暦7月24日(現在では新暦8月23日〜24日頃)に行われる、子供の守護仏である地蔵菩薩の祭礼です。俳句では「初秋」の季語になります。特に関西地方・近畿圏の下町や路地で盛んな風習で、辻や町内のお地蔵様を洗い清め、新しい前垂れを着せ、提灯や花、お菓子を供えて子供たちの健やかな成長と安全を祈願します。福引やおやつの配布など、子供たちを中心とした賑やかで下町情緒あふれる光景が特徴です。

この季語で詠むコツ

地蔵盆の主役は子供たちと地域の温かな繋がりです。昼間の眩しい日差しの中で行われる水撒きやお菓子の配給、あるいは夕暮れから夜にかけて灯る提灯のほのかな灯りなど、時間帯による情景の明暗を描き分けると情緒が深まります。また、子供たちの弾む歓声や走り抜ける足音、祭りが終わった後の静けさといった「動と静の対比」を意識すると、初秋の少しもの悲しい空気感も表現できます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・空間・場所:路地、辻、町内、小路、祠(ほこら)、天蓋 ・道具・光景:赤前垂れ(あかまえだれ)、提灯、線香、供物、福引、数珠回し、打ち水 ・感覚・情景:子供等の声、暮れ泥む、夕風、賑わひ、静まり

地蔵盆」の俳句例 (3件)

地蔵盆ま昼の辻に水打たれ
能村登四郎【現代語訳】地蔵盆を迎えた真昼の辻に、清めの打ち水が撒かれている。 【鑑賞】晩夏の厳しい日差しが照りつける真昼、お地蔵様の立つ辻に撒かれた打ち水が清々しい涼気と埃を鎮める匂いを感じさせます。祭りを迎える町内の清潔な敬虔さが表現されています。
地蔵盆路地を塞ぎて子供等よ
久保田万太郎【現代語訳】地蔵盆の祭りで、狭い路地をいっぱいにふさぐように子供たちが群がっていることよ。 【鑑賞】下町情緒を愛した万太郎らしい一句。狭い路地を占領してはしゃぎ回る子供たちの姿を、叱るでもなく温かな眼差しで見守る作者の優しい微笑みが伝わってきます。
子の多き町をとほりぬ地蔵盆
井上井月【現代語訳】子供たちが大勢集まっている町を通り抜けたことだ、今日は地蔵盆なのだなあ。 【鑑賞】放浪の俳人・井月が町を通りかかった際の一句。子供を守る地蔵菩薩の祭りにふさわしく、路地に溢れる子供たちの元気な姿と活気が素朴な言葉で鮮やかに捉えられています。

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