芋の露

芋の露

いものつゆ

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意味・由来\n「芋の露(いものつゆ)」は、初秋から仲秋にかけて里芋(サトイモ)の大きな葉の上に宿る朝露のことです。里芋の葉は表面に微細な凹凸があり、強い撥水性を持っています。そのため、降りた露は葉に染み込まず、まるで水晶や真珠のような見事な球体(玉露)となります。風が吹くと葉の上をコロコロと滑るように転がり、やがて零れ落ちるその姿は、秋の清冽な空気と朝の静けさを象徴する風情豊かな季語として古くから親しまれてきました。\n\n### この季語で詠むコツ\n「芋の露」を詠む際は、露の玉の「丸み」「透明感」「光の反射」、そして「動き」に着目するのがポイントです。早朝の澄んだ斜光を受けてきらめく美しさや、葉の大きな緑と透明な水滴のコントラストを描くと情景が鮮明になります。また、壊れやすくはかない露の一瞬の輝きに、命の尊さや秋のはじまりの寂寥感を重ね合わせることで、詩情を一段と深めることができます。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n・光や色を表す言葉:朝日、斜光、銀、碧(あお)、玉、水晶\n・動きや状態を表す言葉:転がる、滑る、こぼる、たまる、澄む、弾く\n・朝や畑の情景:早朝、野良、土、畝(うね)、朝風、露けし

芋の露」の俳句例 (3件)

芋の露連朶にうつす硯かな
松尾芭蕉【現代語訳】里芋の葉に宿る清らかな朝露を、蓮華の台座(連朶)の形をした硯に移して墨をすろうとすることだ。【鑑賞】芭蕉が門人の硯を見て詠んだとされる句。清らかな芋の露と、仏の蓮台に見立てた硯の取り合わせが高雅で、秋の早朝の澄み切った空気が感じられます。
金剛の露ひとつぶや芋の葉に
川端茅舎【現代語訳】里芋の葉の上に、ダイヤモンドのように固く気高く輝く露が一粒宿っている。【鑑賞】「金剛」とはダイヤモンドや仏教の不滅の智慧を意味します。消え去りやすい露の一粒に、永遠にして絶対的な美を見出した茅舎の研ぎ澄まされた信仰心と美意識が結晶した名句です。
芋の露こぼれて青き土となる
松根東洋城【現代語訳】里芋の葉から露がぽろりとこぼれ落ち、乾いていた土を濡らして深く青みがかった色に変えた。【鑑賞】露が土に吸い込まれる一瞬の色の変化を「青き土となる」と鮮やかに描写しています。静寂に包まれた朝の畑の微細な生命の動きを捉えた繊細な視線が光ります。

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