居待月

居待月

いまちづき

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意味・由来\n「居待月(いまちづき)」とは、陰暦八月十八日(現在の9月中旬〜10月上旬頃)の夜に出る月を指す秋の季語です。十五夜(名月)、十六夜(いざよい)、十七夜(立待月)と続く月待ちの風流な呼び名の一つで、月の出がさらに遅くなるため、「立って待つには長すぎるので、座って(居て)待つ月」ということに由来しています。満月から少し欠け始めた月が、夜更けの静けさとともにしっとりと昇る風情には、深まりゆく秋の落ち着いた趣があります。\n\n### この季語で詠むコツ\n居待月の魅力は、「待ちわびる時間の長さ」と「夜更けの静けさ」にあります。日没から月が顔を出すまでの間に訪れる宵闇の深まりや、部屋の中で静かにくつろぎながら月を待つ人の心の動きを捉えると効果的です。月そのものの輝きだけでなく、月を待つ間の周囲の気配(風の音、虫の声、室内の陰影など)に焦点を当てて情景を広げてみましょう。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n・時間や静寂を表す言葉(夜更け、座敷、灯火、静けさ、更けゆく)\n・秋の夜の気配を表す言葉(虫の声、夜風、水音、影、闇)\n・くつろぎや待つ姿勢を示す言葉(坐す、待つ、盃、窓辺、語らい)

居待月」の俳句例 (3件)

居待月海暮れはてて出でにけり
高浜虚子【現代語訳】居待月を待つ海辺の景色はすっかりと暗暮れ切ってしまい、その深い闇の中からようやく月が昇ってきたことだ。\n【鑑賞】日没から月の出までの時間の長さを「海暮れはてて」という大きな情景描写で見事に捉えています。波の音と暗い海の上にようやく浮かび上がる月の厳かな輝きが、鮮やかに目に浮かびます。
居待月ふと夜に入りし水の音
加賀千代女【現代語訳】居待月を座って待っていると、ふと夜の気配が深まったように水の流れる音が耳に響いてきた。\n【鑑賞】座って静かに月を待つ間の静寂を、聴覚を通して表現した名句です。あたりが暗くなり、視界が薄らぐ中で際立つ「水の音」によって、秋の夜の深まりと月の出を待つ澄んだ心境が巧みに詠まれています。
居待月更けて座敷の広さかな
各務支考【現代語訳】居待月を待つうちに夜も更けてしまい、明かりの落ちた座敷がいつも以上に広く感じられることだ。\n【鑑賞】室内で月を待つ人の空間感覚を切り取った句です。月の出が遅い居待月ならではの「夜更け」の感覚と、静まり返った座敷の余白が響き合い、晩秋に向かう侘びの情趣を漂わせています。

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